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ヤバい奴が異世界からやってきました  作者: Puney Loran Seapon
第13章 日本海~シェスタリア
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季節イベント『全裸』

1話前に本編も更新しておりますので、そちらもどうぞ!

プロローグも終わったことだし、こういった話も定期的に投稿しようと思います。

 相模原宅。


 学校から帰宅した優は、部屋に鞄とブレザーを投げ置いた後、風呂場へと向かう。


 普段は夕食を済ませた後に入浴するのだが、今日は戦闘訓練の授業がいつもより激しく、湯船に浸かってゆっくり体を休めたかったのである。


 脱衣所で服を脱いで、いざ風呂場へ。


 シャワーを浴びながら、みーちゃんや愛理とチャットでもしようかと悩んでいた、その時だ。




「さっがみーん!」

「きゃぁぁぁあっ?」




 湯船の中から、束音雅が飛び出してきた。


 全く理解が追いつかない優。湯船の底には、間違いなく誰もいなかったはずなのだ。


 当然雅は全裸。そんな状態で、彼女は優に飛びかかる。雅の目は、完全に変質者のそれだ。


 刹那、何故か風呂場の壁が砕け、穴が開く。


 この現象に疑問を抱くより先に、優はその穴から逃げ出す。


「まってくださいよー!」

「ちょちょちょちょちょ、何これぇぇぇえっ?」


 平日の夕方。


 奇跡的に人通りの全く無い道を全力疾走する優と、追いかけてくる雅。


 見られちゃまずい体の部分を手で隠す優とは対照的に、雅は「どうぞ見てくれ」と言わんばかりのスタンスだ。


 今の雅に捕まったら何をされるか分からず、親友とは言え本能的に恐怖を感じてしまう。


 徐々に距離が詰まっていくも、必死で逃げる優。


 気がつけば、愛理の住むマンションまでやって来た。


「愛理助けてー!」

「ええい、何だ騒々しい――って、きゃぁっ?」


 愛理の部屋は七階だ。扉を破壊し、中へと入る優。


 部屋の奥から出てきた愛理が、全裸の優と雅を見て聞いたことの無い悲鳴を上げた。


「一緒に逃げるわよ!」

「あわわわわわ! こっちだ!」


 愛理に先導され、向かう先はベランダ。


「待って! 愛理まさか――」

「せぇのっ!」


 愛理が優の手を引き、地上から約二十メートルのところから飛び降りる。


 すると、




「しまった! これでは死んでしまう!」




 ここで愛理はようやく、投身自殺まがいのことをしたことに気が付いた。

「あんた馬鹿なのっ? 錯乱してるのっ?」

「ぐぉぉぉっ!」


 愛理の右手に嵌った指輪が光り、手に握られるは刀型アーツ『朧月下』。


 その刃をマンションの壁に刺し、ガリガリと傷跡を残しながら二人の落下速度を緩やかにしていく。


 そして無事に地面に着地した二人は、思わずその場に倒れこんでしまう。


「ぐへへー! いっただっきまーす!」

「来ないで来ないでぇぇぇえっ!」

「む、無念……!」


 そんな二人に、マンションの七階からダイブしてくる雅。


 その時だ。


「ふン!」

「うごっ?」


 どこからともなく権志愛が現れ、雅の腹に、まるで野球のバットで弾き飛ばすように棍型アーツ『跳烙印・躍櫛』を叩きつけた。


 何故かカキーンというBGMが響き、空の彼方まで飛んで行く雅の体。「あーれー」なんて間抜けな声がフェードアウトする。


「二人とモ、大丈夫カ?」


 優と愛理に手を差し伸べてくる志愛。


 礼を言って、その手を取ろうとしたところで、




 視界がブラックアウトした。




 ***




「――なんて夢をみたんですよ」

「悪夢ね……。正夢になりそうなのが、たちが悪いわ」


 雅の家。たまたま雅が不在の時に。


 優が今日見たという夢の話に、レーゼは苦笑いを浮かべるのだった。

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