52.物語の途中で過去の記憶がフラッシュバックする時ってあるよな
「思ったもりもデカイな」
事務所予定の建物を下から見上げた。
「入るわよ」
「入っても大丈夫なのか?」
「許可はもう取ってるわ」
「もうなんか、流石だな」
木製の扉のドアノブを捻って中に入ると、チャリンとドアベルが鳴った。
「おお、ドアベルが付いてるのか、創作でしか見たことないぞ」
「これなら、誰か入ってきても来たのが分かるわね」
「しかし、これ……セキュリティは大丈夫なのか?」
「1階はセキュリティが緩いんだけど、2階以降はちゃんとしているはずよ」
「なるほど……?」
扉を開けてすぐ右にバーカウンターがあり、左にはなんかミニステージみたいなものがある。
部屋の真ん中に螺旋状の階段がある。2階に行くにはこの階段を上がるんだろう。
奥に行くと、2つのソファが向かい合うように置いてあり、真ん中に長方形のテーブルが置いてある。
依頼とか受けたら、ここで話したりする感じになりそうだ。
さらに奥に進むと、木製の扉があり、その部屋には台所や冷蔵庫、棚があった。
「すごいレトロチックだな。アズ、俺達これから、探偵事務所でもやるつもりか?」
「最初は似たような事をすることになるわ」
「そうなのか?」
「最初に大きい仕事がくる可能性は低いわ。最初は信用作りが必要じゃないかしら」
「そういうものなのか」
俺は今ままで、言われたことを、ただこなしてきただけだから、事務的な事も、ましてや事務所を設立なんて事は、したことが無かったので、全く何も分からない。
「思ったよりも広いんたが、その……なんでバーカウンターとかステージとか置いてあるんだ?」
「ここに元々置いてあった以外あるかしら?」
「そもそもここは以前なんのお店だったんだ?」
「後で教えるわ」
「了解?」
アズは部屋の真ん中にある螺旋状の階段を登り始めた。
「ここは何階建てなんだ?」
「2階建てよ。でも、実質3階建てみたいなところはあるわ。屋上に行く途中に倉庫にできる大きな部屋があるの」
「屋上と2階の間に倉庫があるのか。そういえば、エレベーターはあるのか? 見た感じ1階に無さそうだけど」
「あるわよ。2階、倉庫、屋上と止まるわ」
「1階は止まらないのか?」
「1階はお客さんとか、関係者以外の出入りがあるから、乗れないようにしているみたいね」
「なるほど」
2階に上がると、雰囲気も1階とはガラリと変わった。
「警戒センサーが起動していたら、螺旋状の階段を登っている内にスキャンされるようになっているわ。登録していない人が登った場合は警報がなると思うわ」
なぜ階段が真ん中にあり、螺旋状なのか。セキュリティ面で考えてると、螺旋状の階段は上がる時、ぐるりと1周する必要がある、つまり、部屋のどこにいても誰が2階に行こうとしているの把握できるとい事なのかもしれない。
「もしかして、1階の壁とか、どこか押すと武器とか出てたり、バーカウンターの内側に武器が置いてあったりしないか?」
「あるかもしれないわね。流石にそこまで細かい情報は貰ってないわ」
2階は階段を上がった前方には、廊下があり、その先に大きな扉がある。右と左には扉が並んでおり、部屋がいくつもあるようだ。後方には通路がある。
「2階はなんか、1階とは雰囲気が違うな。1階は探偵事務所で、2階はなんかの組織の幹部とかいそうな場所に感じるな」
「とりあえず、1番大きい扉の部屋に行きましょ!!」
妙にテンションが高めのアズが大きな扉を指さしながら、歩きだした。
「あ、ああ」
廊下を歩き、大きな扉を開けた。
「この部屋は……社長室か?」
前方にはエグゼクティブデスクにエグゼクティブチェアがあった。他にはソファやら、棚などが置いある。
「あら、貴方が以前所属してたレイブンシャフトにはこんな感じの部屋はなかったかしら」
「確かに…….あったな」
レイブンシャフトという名前はそのまま社長の事を指している。レイブンはカラス、シャフトは軸、社長を中心に大きくなった会社と言える。
そんなリーダーがいる部屋が社長室みたな部屋だった思えがある。俺は1度だけ入った事があった。
今でも思い出す、お父さんとお母さんが組織同士の抗争に巻き込まれて、亡くなった、らしい。
家に残された俺はお父さんとお母さんが亡くなった事を知らないで、帰ってくるのをずっと待っていた。
玄関の扉が開いて、帰ってきたと思ったら、そこにいたのは血を浴びながら、泣いている森咲だった。
森咲は目の前で親を殺されたらしい。
俺と森咲が怯えながら、家に籠っていると、柄の悪そうな男達が入ってきて、家を荒らし始めた。
恐怖で動けない俺と森咲のところのに、真っ黒のコートに黒いハットを被った。白人の男性が立っていた。
「君達……大丈夫か? いや、大丈夫そうには見えないな。いや、答えなくてもいい、ここは私にーー任せたまえ」
変なポーズを決めたかと思ったら、武器を持たないで、素手で相手を一瞬で蹴散らした。
この男性はレイブンシャフトの社長、レイ・フォージャン、フランス系アメリカ人だが、育ちは日本らしい。
そして、組織同士の抗争を止めたのはレイブンシャフトだった。
俺の親はレイブンシャフトと繋がりがあったらしく、俺と森咲はレイブンシャフトに所属する事になった。
その所属した初日、レイブンシャフトの社長に呼ばれて俺と森咲は、社長室に入って、説明とかを受けて記憶がある。
「ぼーとしてどうしたのかしら?」
「……」
「松永……?」
「あ、すまん。昔の事を思い出していた」
「そう」
47話 文章の修正、シーンの追加をしました。




