14. 初依頼ⅱ
男は目的地に着いたのか、指を前に出して言った。
「前に進んだら、ラグモ様がいると……思います。私はここに居ますね」
俺は男に言われた場所に進んで行くと、看板が置いてあった。そこには、
『俺様のアジトだ!』と書いてあった。
誰のアジトだよ……と思ったが、多分ラグモという奴のアジトとなんだろうな。
進んでみると、そこには男性のような人が大きい椅子に座っていて、周りに手下のような人がいる。
入ってみると、そこにいた人達の視線が一気に俺に向いた。
手下だろう人が俺に近づいて来た。
「お前みねえ顔だなぁ、何の用だ?」
「えーと、ラグモと言う人に用……」
「ラグモ様だろう!!」
「ラグモ様に用があって来た」
多分この場合は、手下に物を渡す感じだろうな。
「ある、おばさんから物を渡しにきたんだけど……」
「うん? ご苦労さま~」
手下はそう言って、それをラグモ様に渡した。
「あいつらか、わかった。そこの奴もう帰って良いぞ」
思ったよりも、早く終わって良かった。
そう思って歩いていると、後ろから剣で攻撃されたような感じがしたので、避けた。
「ほお、やるな~」
手下の男達が、俺に向けて剣を突き立てている。
「そんな簡単に帰してあげると思ったのか!?」
俺はそいつらが弱そうだったので、素手で戦う事にした。
まあ、【格闘術】を発動させているから問題は無い。
「腰に掛けている剣は偽物か?」
そしたら、早速手下Aと手下Bが同時に攻撃して来た。
まず、手下Aの剣を手で吹っ飛ばした。そして、手下Bの攻撃を避けて、手下Bを殴りその時に手下Bが手下Aににあたり、二人共倒れた。
「な、なかなかやるな!」
速攻で倒すつもりなのか、手下が一気に五人で襲いかかって来た。
俺は魔法で周りに風を起こして、みんな一気に吹き飛ばした。
「まあ素手でだけとは言ってないからな」
そしたら、手下が一人攻めて来て、また一人と攻めて来た。
俺はそれらをアリを潰すかのように全てぶっ倒した。
「なかなかやるな」
手下がボロボロにされて、怒ったのかラグモが重そうな剣を取って、俺に攻めて来た。
ラグモは立つと、背が2メートルを超えるぐらいの高さで、鎧のような物を装備している。
それなのに速さが思ったよりも速かった。
ここら辺のボスとだけあって、強さは伊達じゃ無いと言うことみたいだ。
俺はそのひとつひとつ重い攻撃を確実に避けた。
右、上、左……
「すばしっこい野郎だぜ、名前はなんだ?」
「運び屋のロディだよ、覚えておきな」
「運び屋?はっはっは面白れぇ」
ラグモは後ろの方に「強化だ!」と叫ぶと、魔法使いだろうかその人は魔法を使った。
そしたら、ラグモの体が、一瞬赤や青などに光った。そして、ラグモの攻撃速度や動きがさっきよりも速くなった。
そして、ラグモが動きが隙のでかそうな攻撃をしてきたので、その攻撃を避けて、次に剣がを握り投げる時に体を回して、投げて流れるように脚でラグモを蹴った。
ラグモは俺の攻撃で壁にドンッと吹き飛んび、ぼとっと落ちた。
「はぁー、思ったよりもなかなかやるな」
ラグモは立ち上がり、「俺のメインの武器はこっちなんでね」
ラグモはそう言うと、爪のような武器を手に付けた。
そしたら、周りから何かがやってきた。
よく見ると、モグラ?のような姿をしている魔物?動物?が10匹ぐらい立っていた。
まてよ、ラグモ、モグラ……。モグラを反対に読んだら、ラグモ。ラグモを反対に読んだらモグラまさか……そうなのか?
ここは、地面が石じゃなくて土になっている。
そしたらモグラは土に潜り始めた。
そして、ラグモも攻め始めた。さっきよりも動きが速い。その為俺はさっき買った剣を抜いて構えた。
俺はラグモの攻撃をガードしたら、ノックバックで後ろに下がり、そしたら後ろからモグラが出てきた。
モグラは俺の背中に攻撃して来て、服を貫通して背中にモグラの爪がスパッと当たった。
「うっ」
魔法で回復をしようと思ったがなぜか出来い。
【スキル作成】で回復を作れば良いんだが、それはこの前の試験で試したが、【失敗】と出てきた。なので今は【自然回復速度】を発動している。これは自然回復速度が速くなるスキルになっている。
背中がとてもヒリヒリするが、俺は横にステップして、地上に出て来ていたモグラを剣で切り裂いた。
「モグラ!?」
ラグモは手下がやられた時よりも、モグラがやられた時の方がショックだったようだ。
可哀想だな。ラグモの手下達はモグラに負けているみたいだ。
怒ってさらに速くなったラグモの攻撃をガードして、モグラの攻撃も交わしながら戦い、隙が出来たら攻撃をした。
そしたらラグモの強力な一撃により、俺のウォード作の剣がバリンと音を立てて、折れた。
「すみません、ウォードさん!」
「誰だ? まあいい見たところ、ほかに剣は無さそうだな」
俺は【剣】で強そうな剣を出した。
「何も無い所から、剣を出した!?くそぉ」
ラグモが攻撃してきたので、剣で返り討ちにした。
そして、ラグモは壁にドンッと当り、落ちた。
「流石に倒れたかな?」
起きる様子が無いので、俺は帰る事にした。
そして俺が少し進むと後ろからものすごい勢い速さで、ぶさっと剣のような物が刺さった。
「うぐっ」
その剣は紫色に光っている。その剣は明らかにさっきラグモが使っていた剣では無い。
そして、俺は吹っ飛ばされた。
前を見ると、紫色に光っているラグモが立っていた。
そしてなんとなく屋根を見てみると、ぼんやりだったが。ラグモのように紫色のに光っている人が立っている気がした。
「大丈夫!?」
最後に聞き覚えのある声が聞こえた気がした。
その時に俺の意識が途切れた。
ーー
下の光景を眺めながら屋根の上に人が立っていた。
「ふふ、あいつ結構強いな。この僕の#あれ__・・__#を受けても死んで無さそうだ」