13. 初依頼
俺は今はトーゲル街の裏通りみたいな、場所を歩いている。
いかにも怪しそうな道に来た時に、俺は思わず鼻をつまんだ。
「うっ……臭いな……」
そしたら、誰かの視線を感じた。
この場所は表通りとは全然違い、ここにずっと居たら、気持ち悪くなりそうな腐臭のような臭いが漂っている。
道の端に冒険者だろうか、それともここの住民だろうか、横たわっている。酒を飲んで、くつろいでいる人達も見かける。
お店はあるが、怪しそうなお店しかない。
周りを見ながら歩いていると、フードをつけた男のような人が俺にぶつかって来た。
流石にわざとぶつかって来たような感じだったので、ポケットを探って見ると、やっぱりお金袋が無くなっていた。
「またかよ……」
大体の奴がぶつかって来たら、お金袋を取る気がする。
お金はどうでもいいが、あそこには試験で手に入れたバッチが入っている。
バッチの場所変えた方がいいかな?
俺はお金袋を取った奴を追いかけた。
ーー1時間前
俺はリーア達と別れた後、集合までの時間が結構余っていたので、見た目をロディの姿にしておいて、ホールに向かった。
そしてホールに着いたら依頼展示板の方に向かった。
俺は手伝い依頼の方を見て、この街だけで出来そうな依頼を見つける事にした。
そしたら、
『ある人に荷物を届けたいんですけど、私の代わりに誰か届けてくれませんか?
仮名:そこら辺のおばさん』
という、依頼を見つけた。
俺は早速受け付けの所に行き、依頼者の場所を教え貰いその人の元に行った。
俺はドアをトントンと叩いて、誰かが出てきた。
その人は年を取っている、おばあさんだった。
多分この人が依頼をした人だろうか?
「おの、依頼をしたそこら辺のおばさんですか?」
おばさんは俺の質問を聞いて、少し停止してから答えた。
「そうです、上がってください。依頼話などをしますから」
この世界は靴で大丈夫な所と脱がないと駄目な所がある。
宿屋などは靴のままでいい。他は知らないけど。
「靴は脱いでくださいね」
ここは、靴を脱ぐ系みたいだ。
俺は靴を脱いで、おばさんの所に行った。
歩きながら思ったんだけど、ロディの姿になっている場合は見た目が普通かっこいいので、明るい性格の方がいいんじゃないかと思ったので、【明るい性格】というスキルを作った。
名前の通り明るい性格になる。素晴らしいスキルだ。
俺はテーブルの椅子に座り、おばさんはお茶のような物を持ってきた。
ここは、異世界なので飲むのは危険に感じたので、気持ちだけ受け取ることにした。
「ところで誰に何を渡せば良いのでしょうか?」
「話を聞いてくれます……」
「もちろんどうぞ」
おばさんは悲しげに話し出した。
「実は渡して貰う相手はここからどっかの裏通りの道などを仕切っているボスでして……」
どっかの裏通りというのは、少し引っかかるが、
「どうして、その人に?」
「実は私の夫が、その人に何かをやってしまって……ある物を渡せと言われたみたいで……いちよう用意したんですけど、私じゃあ危ないと思ったので依頼したんです……」
「そうですか、あの……ある物とは何ですか?」
「すみませんが言う事は出来ません……」
この人は謎が多過ぎるな、名前も教えないし、何があったかも教えない。さらに、持って行く物も教えないと……。
まあ、俺は運び屋だから、なんでも持って行くから大丈夫。
「わかりました、あの場所を方向などをちょっとで良いから教えてくれませんか?」
「それぐらいなら……分かると思いますよ」
おばさんは椅子から立ち上がり、歩き出した。
その後おばさんはある道の前に止まり、指で「あっち方向だとと思う……」と言った。
「ところで、ボスの名前は?」
「ラグモだったかな……?」
「わ、わかりました」
「あの、お名前はなんですか?」
「運び屋のラー……ロディです」
「ラーロディ……?」
「ロディだけです」
「すみませんねぇ、最近耳が悪くて……」
そして、俺は適当におばさんに言われた方向に進んだ。
ーー
そして今に至る。
俺は【探索】でお金袋を奪った奴を見つけて、ボコボコにした。
「痛い目に会いたくなかったら、次から人の物を奪わないようにね」
「も、もうしません!」
「分かれば良い」
俺は少し歩いて、思いついた。
俺はまたさっきの奴の所に戻ると、逃げようとしていたので捕まえた。
「ひぃ!な、なんでしょか?」
男は何かやばい物を見るかのように、体をガタガタと揺らしながら俺を見た。
「何もしないよ、ただひとつ質問を答えたらね」
「ど、どうぞ」
「ラグモって言う奴知ってる?」
「ラグモ様ですか?もちろん知ってますよ」
「なら、知ってる事を話してくれないかな」
「えーと、ラグモ様はここら辺を仕切っていて……お、俺のリーダーです……」
良かった。ラグモって言う奴を早く見つけられそうだ、お金袋を取られて良かったかも知れない。
「その人の所をに連れて言ってくれないかな?」
男は首をフリフリとさせた。
「私じゃあ、無理ですよ……」
「いや、大丈夫だ、君なら出来るよ!もし出来なかったらどうなるかわかってるよな……?」
「わかりました!」
男はラグモが居る場所に俺を連れて行った。