9. ブラックキャット❷
ブラックキャットの人達は俺を見て驚愕している。
「俺はしがない運び屋だけど」
「何がしがない運び屋だよ、変身使える奴なんて聞いたことはあるが、初めて見たぞ!」
俺は頭を隠しているので、相手からは顔が見えない。
「何にしに来た」
「いや、ここに用があるからだよ」
そして、ブラックキャットの人達は俺に襲って来た。
チーム名にキャットとつくだけあって猫人間が多い。タロスも確か猫人間だ。
その鋭い爪で俺を襲ってきたが、俺は【格闘術】を発動して、来たやつを映画見たいにスパッと決めた。
「くそ、素手で倒しやがった!」
お前達も実際素手でだけどな。
ブラックキャット達はコソコソ相談し始めた。
「俺が前に出て戦う、あいつに隙が出来たら魔法を打ってくれ」
「分かった」
作戦が丸聞こえだけどな……。
作戦通り襲って来たが、俺は一発で倒してしまった。
魔法使いだろうと思われる奴が「くそー」、と言い魔法を使った。
俺はそれを剣で弾いた。
「何!?」
俺は剣を握り、五人を連続に斬り、【高飛】を使用して、高くジャンプして、氷魔法を使いそこら辺をそのまま凍らせて、その氷を剣で破壊した。
その攻撃で立つ事が出来た人は居なかった。
俺は静かに二階に登った。
まず【隠】で物に隠れて、様子を見た。
奥に青い光が出ている。そして、前に黄色の光が3つほど。
思ったのだがこの部屋は防音なのか、外で俺が戦っている音は聞こえなかったらしい。
俺はそのまま行くのは少し怖いので【分身】と言うスキルを使い、見た目は完全に俺と同じでほとんど分からない。
それと【監視】を使った。これは、小さな光が飛んでいき、左目でその光景を見る事が出来る。
まず敵を見ると、真ん中に猫の耳が付いている。赤い髪の女性がソファーのような物に座って居る。
右には俺にとっては悲しい事に髪が無い肌の真っ白な人、左には水色の髪で猫の耳があり立っている。
リーアとニアは奥でスヤスヤ寝ているように見える。
今どんな状況も知らずに普通に寝てるな。
バレないためにはリーアとニアが起きる前に決着を付けて救わないといけないため、俺は早速自分の分身を動かした。自分がもう一人居ると思うとちょっときもいがしょうがない。
そして、少し分身を動かしてたら、
「そこに誰かいるのか?」
ブラックキャットの人達も気づかれた。
分身にも【隠】をつければ……でもまず出来るのだろうか。
分身なので、素直に出て行く事にした。
「誰だ君?」
「お前がブラックキャットの人達だな!」
「そうだが?」
俺の分身は敵の居る方へ剣を向けてから走り、敵は反応出来なかったのか、もしくは余裕だからなのか、一切動かない、そして分身は剣を振った。
ブチャと音がなり、見て見ると俺の分身が倒れて、煙りのように消えていった。
あれ…….分身が弱かったからなのか、もしくは、ブラックキャットの人が強かったのだろうか。
「やっぱり分身かぁ」
「分身ですか……珍しいですね」
「確かに俺は初めて見たかも知れん」
分身と言う事に気付いていたのか。
「本物、出て来いー!」
しょうがない、まあ俺は不死身だから大丈夫なので大人しく出る事にした。
「君は二人の女を探してるんでしょ?」
「そうだけど、分かってるなら解放してくれ」
ブラックキャットの人は呆れた感じで言った。
「君は勘違いしてるみたいだけど、解放するも何も、捕まえてない」
「そこに居るじゃないか」
「捕まえたというよりも、連れて来たの方が合ってるなー」
「というと?」
「昨日、街で夜歩いていたらー、2人が突然道端で倒れたからここまで連れて来たんだよ、片方が猫の少女だと思ったから……」
ニアが猫の少女じゃなかったのか?
「あいつ猫じゃなかったのか?」
「そうなの、猫じゃなくて、狐だったのよ」
ニアは狐の少女だったのか、名前的にも猫っぽかったのに……。
まあ、一回もニアに猫と言った事ないからな。
待てよ、じゃあ俺は勘違いして、ブラックキャットの仲間達を殺しちゃっとてこと?
いや、待てよスキルで生き返らせるかも知れない。
「あの、下にいた仲間を殺しちゃったかも知れないんですけど……」
ブラックキャットの人達は顔を少し曇らせた。
俺は殺ししまったかも知れない、ブラックキャットの仲間の所に案内した。
さっき倒した所に行くと、
「大丈夫死んでないわよ、ただちょっと気絶してるぐらいかしら」
でもタロス達はまだしも、ソルとロマだっけは流石に死んでると思う。
「大丈夫、多分2人共、仮死してるだけ傷は酷いけど」
「仮死とは?」
「魔法で作った丸い薬見たいな奴で、食べると一時的に死ぬんだみたいになるのさ、さらに少しづつ傷などを回復するんだ」
そんな便利な薬もあるもんなんだな。
でも、流石に最初倒した奴は死んでるかもと思いつつ、ソル達と同じで生きてると思っていたが、
「この子は……死んでる……」
え、俺は殺してあれを発動してるから罪悪感はないが、変な感じというか嫌な感じがする。
「ごめんなさい」
「大丈夫……生き物はいつか死ぬもんだから、君もあの二人を連れてって」
きっと【大丈夫】と言うスキルを使っていなかったら、手の震えが止まらないんだろうな。
その後俺は「復活」と言うスキルを作ろうとしたが、表示されたのが【失敗】と出てきた。作れないスキルもあるということか、確かになんでも作れるとは……言われてないが。
という事は多分神になるとかは出来なそうだな。
「どうしたの? 行かないの……?」
「い、行きます……」
俺はその後、ニアとリーアを起こした。
「あれ、ラーメン!?ってここどこ?」
俺はリーアとニアに今回起こった事を話した。
「でも、よくラーメン大丈夫だったね」
「あれだよ、リーアとニアのことを言ったら、すぐ通してくれたんだよ」
「そういう事ね、まあ、流石に手下を倒して、ここまで来るのは難しいよね」
「そうだね、あははは……」
もちろん、俺はリーア達にこの力を知られたくない。
俺はただの運び屋と言う設定で行くつもりだからな。
確か男達はブラックキャットを悪い感じで言っていたけど、実際は普通にいい人だった。噂は本当かどうかは分からないという事だな。