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それでも私は妊娠したい  作者: 優月
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pregnancy

妊娠検査薬をじっと睨みつけた。ああ、もう何度目?結果は、妊娠なんかしていなかった。排卵日も、体温もしっかり図っていたし、お医者様に言われた通りに性行為も持ったはず。なのに、どうして────


やっぱり生理がただ遅れているだけ、なのね。


何度目かの絶望。



旦那は性行為に関して、積極的ではない。頼み込んでやっと行為をしてくれる。だからこそ絶望感はすごいのだ。どうして旦那は非協力的なのだろう?もう子供を望むにも限界の年齢が近づいているというのに。


トイレのそばで項垂れる。


泣きたくてたまらない。小さな子供を見ると恨めしくてたまらない。どうして私には?私のところには子供はやってこないの?そんな負の感情が取り付いて離れないのだ。たしかに神経質にも、ヒステリー気味にもなっただろう。けれど、すべての原因は旦那にある。旦那の一言が私をこう変えたのだ。


2人で素敵な家庭を作ろう、子供は3人つくろう────


プロポーズの言葉が今になって重くのしかかる。旦那は子供が大好きで、3人は絶対欲しいと言っていたのだ。けれど、この年になり今更足掻いても1人が限界だろう。年齢に制限があるなんて、若かった頃は考えてもいなかった。共働きで、子供なんてすぐ簡単に出来る、なんて考えは甘すぎたのだ。子供は授かりもの。そう言われるくらい、子供ができる確率はとても運命的。そう気づいたのが今というのは本当にもったいないことをした。旦那に愛想をつかれ、別れを切り出されることも頭の片隅にある。


「もうどうしたらいいのよ…!」


ポタリポタリと涙が零れる。


握りしめた妊娠検査薬に力が入る。ああ────

なんて不幸な人生────


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