中編Ⅰ
少し短いかもです。
次の日の朝
教室に行くと、依田秋葉がいた。いつものように読書をしている。
・・・・・とりあえず昨日のこと謝らなきゃな・・・・・
そう思い、俺は依田さんのところへ向かう。
「依田さん」
依田さんが反応してこちらを見る。
「どうしたの?」
「・・・・・昨日はごめん。こっちから呼んで来てもらっていたのに、こっちの用事で先に帰ってしまって・・・・・」
・・・・・できれば昨日の告白が罰ゲームでの嘘告白だということも言いたかったのだが、そんなことを言える勇気が俺にはなかった。
「いいよ全然。用事があったのなら仕方ないし」
依田さんはそう言った。
「・・・・・ありがと、依田さん」
「いいえ。あと、秋葉でいいよ」
「え・・・・・あ、うん。わかったよ、よ・・・・・秋葉さん」
「うん、翼くん」
・・・・・本当に申し訳ない。
俺は心の底からそう思った。
今の俺にあるのは罪悪感だ。秋葉さんを・・・・・彼女を騙している俺は、なんて酷い人間なんだ。
「・・・・・もうすぐホームルーム出し、席に戻るわ」
俺は秋葉さんにそう言い、、席に戻った。
放課後
全部の授業が終わり、クラスの人が帰り始める。
・・・・・俺も帰ろ。
そう思い、帰ろうとしたが、
「翼くん」
後ろからそう呼ばれ、後ろを見てみる。
そこにいたのは秋葉さんだった。
「依・・・・・秋葉さん?どうしたの?」
俺は彼女にそう聞いた。
「一緒に帰らない?」
彼女は俺にそう言った。
「・・・・・良いけど」
俺はそう言い、荷物をまとめて、彼女と帰ることにした。
帰り道
俺は秋葉さんとたくさん会話した。お互いの事やいろいろ。その時間は別に悪いものではなかった。むしろ楽しく感じた。
だが、会話していく中で、俺には一つ知りたいことが出来た。
昨日の告白が罰ゲームでの嘘告白ということは彼女は知らない。つまり、彼女から見たら俺の告白は本物で、全く話したことのない知らない人に告白されたことになる。
知りたいことは、どうして俺の告白を受けてくれたのか?という事だ。
彼女は何故・・・・・
二人でまっすぐ歩きながらそう考えていたら、彼女が急に止まった。
「翼くんってこのまままっすぐ?」
彼女は俺にそう聞いた。
「そうだけど」
俺はそう答える。
「私、ここ右だから」
彼女はそう言い、右に曲がる。
「また明日ね」
そう言って彼女は帰っていった。
「・・・・・うん、明日」
俺もそう言い、帰る。
・・・・・いつか聞こう。彼女が何故告白を受けてくれたのか。
俺と秋葉さんは毎日一緒に帰っていた。帰る時、いろんなことを話した。お互いの事を知れた。だが、俺が一番聞きたかったことは聞けずにいた。
そんな日が続き・・・・・
2016年12月20日
気温が低くなり、息が白い。2016年という年がもうすぐ終わり、2017年になる。まあ2017年になる前に、クリスマスがあるのだが、
「・・・・・クリスマス何しよ・・・・・」
いつもクリスマスは、海叶と一緒に遊んでいる。まあ他に遊ぶ人いないし・・・・・。
・・・・・いや、他に友達いるからね?いつも海叶が誘ってくるだからね?
そう心の中で訴えていた。誰に?言うな。
授業中ずっとこんな感じだった。
放課後
いつも通り、秋葉さんと帰っていた。最近のことを話しながら。話の中でクリスマスの事が出てきた。
「翼くんは、いつもクリスマスどう過ごしているの?」
彼女が俺にそう聞く。
「ん?いつも海叶と遊んでる・・・・・海叶以外にも友達といるからね?」
「そんな事まで聞いてないんだけど・・・・・今年のクリスマスはなんか決まってる?」
彼女がまた聞く。
「んーまだ決まってない」
「そっか。じゃあ一緒にどっか行かない?」
「え?・・・・・っと、あーうん。いいよ」
そーやって、俺のクリスマスの予定が決まった。
・・・・・ごめん海叶・・・・・今年は一緒に遊べないわ。
俺は心の中で、そう海叶に謝罪した。
2016年12月22日
外は雪が降っているため寒く、教室は暖房がつき、暖かい。
「翼ー!25日暇ー!」
海叶は俺にそう聞いてきた。
「ごめん、予定ある。無理」
「・・・・・嘘だろ・・・・・お前何があってんて」
「いや、元の原因お前だから」
そう言って海叶に説明した。
「・・・・・あ〜なるほど。了解。なんだかんだいって付き合ってるんだな」
「・・・・・うん」
なんだかんだ言っても、やはり罪悪感がある。嘘告白の事はまだ話していない。正確には話せない。俺に勇気が無いだけだが。
「・・・・・なんかあった?」
海叶が俺にそう聞く。
「・・・・・いや、何もない」
俺はそう返し、考えていた。
2016年12月25日 クリスマス
25日は金曜日で学校があり、次の日から冬休みだ。教室では、友達同士で冬休みの予定など話していた。・・・・・まあ俺は海叶とゲームをしていたのだが。
終業式が終わり、学校が終わる。
「じゃあ翼、楽しんでこいよ〜」
海叶はニヤニヤしながら俺にそう言い、帰っていった。
そんな海叶を見て少し腹が立ったが、考えるのをやめ、俺は秋葉さんのところへ向かった。
「秋葉さん」
俺は彼女に声をかける。
「翼くん。それじゃあ行こっか」
彼女は笑顔で俺にそう言い、歩き始める。