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罰ゲーム  作者: 冬姫0818
1/3

前編

初恋愛小説です。恋愛については詳しくないので、変な所が多々あると思います。


2017年10月


木の葉は赤や黄に染まっている。涼しい風が吹く中、高校の屋上に2人いた。1人は黒髪で背の高い男子生徒、もう1人は背は低く、黒髪のショートヘアで眼鏡をかけた女子生徒。

男、葉心翼は今、目の前にいる女の子に想いを伝えるために屋上にいる。翼が最初抱いていた想いは『偽物』だった。しかし、女の子と一緒に過ごしてきたことでその想いは『偽物』から『本物』になった。

そもそも翼と女の子は関わる事は無かった。だが、翼と女の子は出会った。ひとつの『罰ゲーム』によって・・・・・・。


翼と女の子の関係は、『罰ゲーム』によって出来た『偽物』。翼はその『偽物』を『本物』にするために想いを伝えることにした。


女の子が翼に対していい印象を持っていないのは確実だった。当然の事だ。今まで『本物』だと思っていた関係は、『偽物』だと分かったら誰だってそうなるからだ。

翼が想いを伝えて、返ってくる言葉は分かっている。女の子に想いは届かないと分かっている。

だが、伝えなければたとえ『本物』の関係になれなくても、伝えなければ絶対後悔するから・・・・・・


翼は目の前にいる女の子、依田秋葉にこう言う。


「・・・・・・俺は・・・・・・
















2016年10月


ある高校の1年4組の教室。俺、葉心翼は親友である藍原海叶とゲームをしていた。やっているゲームは対戦可能の戦略ゲームだ。内容は相手の城を先に壊した方が勝ち。いかに相手の攻撃を防ぎつつ、相手の城を攻撃出来るかが鍵となる。いつもの海叶とこのゲームをしているが、俺は戦略をたてるのが得意で、この手のゲームでは基本負けたことはない。ちなみに海叶には1度も負けたことはない。


そして今回も俺が勝った。


「だー負けた!!翼強すぎなんだよ!!」


海叶がそう言う。


「んーまあね」


俺はドヤ顔でそう言った。


「もっかいやろ!!」


海叶がそう言う。


「良いよ」


俺は海叶にそう言い、次の準備をする。


いつもこんなやりとりをしている。ゲームをして、俺が勝ち、「もう1回」と言われ、またやる。そしてまた勝つ。これが3回ほど続く。


まあやってて楽しいし、別に良いんだけど。


今回もそうなるだろうと思っていたのだが、少し違った。


「そんじゃ・・・・・・次は罰ゲームありで行こう!!」


海叶がそんな事を言い出したのだ。


「・・・・・・別にいいけどいいのか?まだ俺に1回も勝ったことないのに、お前罰ゲーム確定だぞ?」


俺は海叶にそう言った。実際今まで俺に勝ったことないのに・・・・・・大丈夫かよ・・・・・・


「いや、こうでもしないと翼に勝てる気しないから」


海叶はそう言った。


「・・・・・・まあいいよ。やるか」


「よし!!俺が勝って翼にいや~な罰ゲームさせてやる!!」


・・・・・・どうなっても知らねーからな。


そうやって罰ゲームありでゲームをした。結果は・・・・・・


「嘘だろ・・・・・・」


俺は負けた。海叶に初めて。


「よっしゃー!!じゃ翼、罰ゲームね!!」


くっそ。こんなはずじゃなかったのに・・・・・・


「まあそう言うルールだしな・・・・・・いいよ。罰ゲーム内容は?」


どうせ大したものではないだろう。


「じゃあ・・・・・・」


海叶はそう言い、指を指した。指した先には1人の女の子がいた。眼鏡をかけたショートヘアの女の子。依田秋葉だ。いつも教室の片隅にある自分の席で本を読んでいる。


そして海叶は小声で俺にとんでもない事を言ってきた。


「あの子に告白で。もちろん愛の」


「・・・・・・は?」


・・・・・・こいつ・・・・・・正気か・・・・・・?


「なんで罰ゲームで告白なんだよ。しかも俺、あの人と話したことないんだぞ」


小声でそう聞いた。返ってきた言葉は・・・・・・


「・・・・・・面白そうだから?」


「疑問系で返すな」


何で提案してきたくせに理由が曖昧なんだよ・・・・・・それに・・・・・・


「・・・・・・てか、そういうのあんま良くないだろ」


「え?何で?」


「罰ゲームだからって告白してるんだぞ。相手からしたらからかわれているって思うだろうし、相手に失礼だ。だから、あまりいいものではない」


「なるほど・・・・・・でもゲームでの仕返ししたいんだよな〜」


・・・・・・どんだけ俺に告白させたいんだよ・・・・・・


俺はこの罰ゲームを受けるか、変えてもらうか悩んだ。変えて欲しいが、また別の罰ゲームとなると告白と同じくらい面倒なものになりかねない。


まあどうせ振られるしな。依田さんには申し訳ないがやるか。


「はあ・・・・・・分かったよ。やるよ」


俺は海叶にそう言った。


「よし!!じゃあ明日決行ね!!」


・・・・・・テンション高いなぁ・・・・・・


「はいはい」










次の日の朝、海叶と玄関で会って告白について説明された。


放課後、依田さんを屋上に来させるように言ったらしい。学校終わったら屋上に向かえばいいらしい。・・・・・・こいつ準備はやいな〜。


「まあそういう訳だから。頑張れ!!」


海叶は俺にそう言い、先に教室へ向かった。


・・・・・・いざやるとなると緊張するな・・・・・・嘘告白とはいえ・・・・・・


そう思いながら授業を受け、放課後になった。





放課後


屋上へ行くと、そこには依田秋葉がいた。


・・・・・・さて、どうせ振られるがやるか。


「・・・・・・依田さん」


俺は依田さんの前に立ち、言った。


「・・・・・・はい」


依田さんは返事した。


そして俺は口を開こうとしたが。


なんて言えばいいんだろう。


告白の言葉を考えていなかった。なんて言えばいいんだろう。「毎日俺の味噌汁作ってくれ」か?いや、それ告白じゃなくてプロポーズだわ。なんて言えば・・・・・・


俺は考えた。考えた結果・・・・・・



シンプルが1番だろ。



「あなたの事が好きです。付き合ってください」


俺は依田さんにそう言った。


「・・・・・・」


沈黙が続く。


・・・・・・このまま依田さんが俺を振ってこれはもう終わるんだ。だからはやく返事を・・・・・・


「・・・・・・はい」


依田さんは言った。


「こんな私で良ければ」


「・・・・・・え?」


・・・・・・嘘だろ・・・・・・


翼は想像とは別の方向に事が進んでしまったため、今の状況を整理する。


俺は、罰ゲームで依田さんに告白した。初対面で話したことないから振られると思っていた。いや、確信していた。普通初対面でわからない相手に告白されたら断るからだ。だが、告白は成功した。何で・・・・・・


「・・・・・・あの・・・・・・大丈夫?」


依田さんが俺にそう言う。


「あ・・・・・・うん・・・・・・大丈夫・・・・・・」


俺はそう返したが、実際大丈夫じゃない。


「あの・・・・・・この後ちょっと用事があるから帰ってもいい?」


俺は依田さんにそう言う。とりあえずこの場を離れて、考えないと・・・・・・


「え・・・・・・うん。いいよ」


依田さんがそう言った。


「ごめん。ありがと」


そう言って俺は、一旦帰ることにした。








自宅にて、


さて・・・・・・どうするか・・・・・・とりあえず海叶に電話しよう。


俺は海叶に電話した。



『もしもし』



繋がった。



『もしもし。翼だけど』


『翼か。なんかあった?』


『ああ。実は・・・・・・』


俺は海叶に今日のこと・・・・・・罰ゲームでの嘘告白のことを説明した。


説明が終わり、海叶が言った言葉は・・・・・・


『良かったやん』


いや、そうじゃないんだよ。


俺は心の中で海叶にそうつっこみ、言う。


『良くねーよ。こっちは罰ゲームでやったんだぞ。依田さんはそのこと知らねーんだぞ。どうしよう・・・・・・』


『じゃあ「罰ゲームでした」って言えばいいじゃん』


『話聞いてた?それはだめだ。罰ゲームで告白している時点で失礼なのにそんなのもっとだめだろ』


『じゃあそのまま付き合えば?』


『え?』


『付き合っていけばお互いのこと分かるだろ?最高でも1年、そんだけ付き合ってみて、考えればいいんじゃない?』


『・・・・・・』


・・・・・・あまりいい手ではないな。嘘告白で生まれた関係をどうするかを付き合って考えるって言うのは・・・・・・


だが他に方法はあるか?


ほかの方法と考えて見たがなかった。


・・・・・・もうこうするしかないのか・・・・・・依田さんには申し訳ないが・・・・・・


『とりあえずどうするかは俺が決める。いいな?』


とりあえず海叶にそう言う。


『ああ。いいよ』


海叶はそう答える。


『・・・・・・頑張るわ』


俺はそう言い、通話を切った。


明日から始まる関係・・・・・・『本物』ではなく・・・・・・『偽物』の関係・・・・・・。




この話は前編、中編Ⅰ、中編Ⅱ、後編の四部分に分ける予定です。投稿ペースは遅いと思われます。

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