表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
華やかなる追跡者 (改稿版)  作者: 槇野文香(まきのあやか)
3/30

第3話

シャンパンが運ばれ、二人は乾杯をした。



「今日の再会に乾杯」と拓馬が言った。



「実は華浦、林田工業は現在厳しい状況にあるんだ」



酒に弱い拓馬は、すでに顔を赤くしている。



「どういうこと・・」と華浦が彼の顔を見て言った。



「あの会社は祖父が経営者なんだが、祖父も年なので、会社にはほとんど来ていない。実質的な経営は、親父と親父の亡くなった兄の息子の圭が取り仕切っている。その圭が問題なんだ。親父と経営方針が合わない」



華浦は前菜を食べながら言った。



「親族同士でもめているのね」



「まあ、恥ずかしい話なんだがね。圭という男は利己的で冷たい。従業員のことなんて何も考えていない。自分のために会社を食い物にしているんだ」



「よっぽど嫌な人間なのね」



「そうだ。あいつを何とかしたいんだ。そうしないと会社が危ない」拓馬は力強く言った。



「それが、私と何か関係があるのかしら」



華浦はあっさりと言った。



「つまりだ。奴の動きを知りたい」



拓馬はう上目づかいで、彼女を伺った。



「君に圭の秘書になってほしいんだ」



華浦はふうんという顔をした。



「つまり、私はスパイね」



「まあ、そんなところかな」



「私はもめごとに巻き込まれるのはご免こうむるわ」



拓馬が持って来る話はこんなことだろうと華浦は思った。



「そんなに長い期間にはならないと思う。君のような頭のいい女性にはうってつけなんだ。頼むよ華浦。謝礼ははずむよ」



彼は哀願するように言った。



華浦はシャンパンを飲み干して言った。



「少し考えさせて」
























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ