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エラン・ビタール  作者: レオサマー
18/19

エラン・ビタール【その18】

⚪︎


「ヴァス!!!」


私の身体は先ほどとかわらない。ヴァスが白い機体から身を呈して守ってくれたみたいだ。


「・・・クミ、御前ガ見セタカッタノハソンナオンボロドレスカ?」


言われるまで気がつかなかったが、真新しいドレスはボロボロだった。

そんなことはさて置き。


「どうしてあなた動けるの?昨日はうんともすんともいわなかったじゃない?」


「機械ニハサブノエネルギーガ備ワッテンダヨ。ダガ俺モモウ長クハ持タネェ。クミ!俺ノコックピット二乗レ」


「えっ?」


キュイーン


ヴァスの胸の部分が開いた。中には人が一人座るところがあった。


「私に乗れっての?」


「アア、今ノ攻撃デ右腕ガ動カナクナッタ。ダガ中カラノ操縦ナラ動ク。御前ガ操縦シテアイツ二一発御見舞スンダ」


「そんな私なんか・・・」


「出来ルダロ?今マデモ御前ハ何デモ知ロウトシテキタ。今回ダッテ同ジダ」


・・・そうだ!私がやらないで誰がやる!

私はコックピットに乗った。

中は暗かったのが次第に明るくなり始め、前には白い機体が映し出された。どういう原理でこうなってるのか気にはなったが、今はそんなことはどうでもいい。


「クミ。俺ガ合図シタラ其処ノレバーヲ引イテ、スイッチヲ押セ。其レマデ揺レ二我慢シテロ」


ヴァスがそういうと、白い機体との戦闘が始まった。


バゴォーン!



激しい交戦が繰り広げられている。


ヴァスは左手一本、向こうも右手一本で器用に戦っている。

私は全身の痛みに耐えながら、ヴァスの合図が来るまで集中力を切らさないよう踏ん張った。


がす!!


ヴァスと白い機体が手を組み合った。


「此処二来ル途中色々思イ出シタゼ。兄貴俺達ハ何時マデコンナ事シナクチャナラネェ。オ互イソロソロ楽二ナローヤ」


兄貴!?この白い機体がヴァスのお兄さんだっていうの!?

一体どういう・・・。


ガヂャン!!


ヴァスの左手が白い機体に握り潰された。

そしてヴァスは白い機体に顔を掴まれ、持ち上げられた。


「グッ!」


ヴァスの顔をそのまま握り潰す気だ!


メシメシ


嫌な音が響く。



「ヴァス!」


『今だ!クミやれ!!』


えっ!?


いつものヴァスじゃない声が聞こえた。この声は確かアストラって人の・・・。


私はレバーを引いてスイッチを押した。



バゴォーン!!


ヴァスの右手で放った光線が白い機体の胸を貫通した。


『アストラ、ありがとう。長い間済まなかったな』


『いいって事よ。向こうで待ってろよ。俺も直ぐにいく』



頭の中で二人の会話が聞こえた気がした。




先の激しい爆撃音とは一変してオアシスの村に静かな風が吹いた。


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