エラン・ビタール【その17】
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夕暮れ時。
「アストラはさ、生まれ変わったら、何になりたい?」
綺麗な女性が隣の男性に言った。しっかりした意志の強そうな女性だ。どこかで見たことがあるような気が・・・。
「あん?生まれ変わりなんてあるわけねぇだろ?」
誰だ、このガラの悪い男・・・。こんな奴と意見が合うなんて嫌だわ。
「アストラ、あなたたとえ話も出来ないの?」
「うるせぇぞ、カレン。だったらお前の〈生まれ変わったら〉はなんだよ?」
「え?聞いちゃう?」
カレンさんっていうのか。楽しそうに聞き返す姿が可愛い。
「面倒くせーな・・・」
こちらの相変わらず愛想がないのはアストラっていうらしい。
「私は医者になりたいな。ほらっ、今は人を守る事が仕事じゃない?でも誰かを守るってことは誰かを傷つけることだってある。だから医者になって人を救いたいな、なんて思うのよ」
医者・・・?
思い出した!村で病が蔓延した時に治療してくれた女性にそっくりだ。
まさか生まれ変わる前の人・・・なの・・・?
「アストラは?」
「おれはそうだなー。基本生まれ変わりなんてないと思ってるからな。だがよ、いつまでも“こうありたい”っていうのはあるぜ」
「へぇ、で、あなたはどうありたいの?」
「おれは・・・・・・」
⚪︎
はっ!
気が付いた。その時痛みが全身に広がる。だが、まだ我慢出来るということは無事なのだろう。
見上げると白い機体が私を見下ろしている。
爆発する光を準備しているのがわかった。
どうやら相手の攻撃に巻き込まれて意識を失っていたらしい。
直ぐには動けない・・・・・・・ここまでか。
私は諦めた。
嫌だ!
死にたくない!!
まだやりたいことが沢山ある!!
まだ話したいことが沢山ある!!
・・・・・・・・・誰に?
・・・ヴァス。
ヴァス助けて!お願い。神には祈る気はしないけど、あなたになら祈れるわ。
ヴァス、助けて!!!!ヴァス!!
ドガーン!!!
「な、何がおこったの?」
土煙りが舞って周りがよく見えなかったが、次第に視界がハッキリ映る。
黒い機体・・・・・・ヴァスだ!!!
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「おれはいつでも、大切な人を守れるやつでいたいね!」




