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エラン・ビタール  作者: レオサマー
14/19

エラン・ビタール【その14】

今日の訓練でもカレンの怒声が基地に響いた。


「ちょっとアストラ!あなたもうちょっと考えてから行動してよね!」


敵を想定し、遠隔の機体を用いて目的地まで行く訓練だったが、どうやらおれは敵の誘導に失敗したらしい。


「なんだよ、敵はちゃんと倒したぞ。何が問題なんだよ!」


負けず嫌いのおれはカレンに刃向かった。


「ポイントに行くのが目的なの!敵に時間かけすぎ。あれじゃ合流のタイミングが合わないじゃない!あなた頭使ってんの?」


「あーんだと!頭で考える暇があったらやられちまうわ!それよりも、感じて動く方がおれには合ってんだよ」


「それで今回の作戦が失敗したんでしょ?」


「ぐっ・・・」


言い返す言葉を失った。


「だからあなたは昇進しないのよ、少しはルイ副隊長を見習いなさいよ」


「えーい、黙れーい!」


いつもカレンとはこんな感じで喧嘩していた。


「またお前らは・・・」


兄貴のルイが会議から帰ってきた。おれたちの姿を見るや呆れた表情をした。


「あっ、副隊長!お戻りですか?」


カレンは兄貴には愛想がいい。というか、おれにだけ愛想がないぞ!


「アストラ、考えることは苦手か?」


兄貴はおれの目を見て言った。


「いや、苦手っていうか体で動いた方が得意なんだ。おれは得意なことをどんどん伸ばしたい。それだけだ」


「だから、あんたそれじゃ・・・」


カレンが話しているのを遮って兄貴は話を続けた。


「得意なことを伸ばすのは効率も良いし、間違いではない。ただ、考えることはやっぱり大事だな。それは訓練に限った話じゃない。まずは疑問を持ってみろ。そうすれば色々な見方を養える」


「けっ、そんな奴に憧れるね」


おれはふて腐れて言った。


「だが、アストラ、今回の訓練少し見学してたが、お前は誘導隊でやられそうな機体を守り敵を倒してたな」


「えっ、そうなの⁉︎」


カレンは驚いた。


「仲間がやられそうだったんだ。助けて当たり前だ」


「ああそうだ、お前の一番のいいところだ。今回の訓練のマニュアルを徹底的に勉強しても、忘れるな」


ドサっと分厚いマニュアルを兄貴はおれの目の前に置いた。


「・・・やっぱりまた覚えなきゃダメかね?」


おれはダメ元で聞いた。


「当然☆」


ニコっと兄貴は笑って言った。


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