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移民農業奮闘記  作者: マダム
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スワッチ・ド・スワサン

新キャラ登場です

スワッチ・ド・スワサンは元アスターテ王朝の貴族の末裔である、アスターテ王朝が民主化の波に浚われて崩壊した後も数代は裕福な生活を送っていたスワサン家もスワッチの代では流民一歩手前の貧しい生活を送ることしか出来なかった、そして名前の真ん中にある【ド】!つまりもと貴族という誇りがスワッチに普通の平民としての暮らしを送る事への邪魔をしていた


そんなスワッチが一発逆転を掛けアトランティス第二次移民船に乗り込んでいたその船内で


「毎度!いらっしゃ~い、担当者の【フィリップ・モリス】です! えーと、お名前は?」


「スワッチ・ド・スワサンだ!凄い名前だな、本名か?」


「そうですねん!よう言われまっけど、お宅もえらい名前やな〜」


「うむ!私は由緒正きアスターテ王朝が貴族!スワサン家の当主だ!」


「アスターテってよう知らんけど講習のカリキュラム組むさかいこの紙見てんか」


「何だね?これは?」


「何て農業講習の時間割りやがな!これ見て受ける講習選らんでんか」


「必要ない!スワサン家の者たる者農業など出来ん!」


「はあ~?農業せなんだら何しにきたんや?」


「ふむ!教えてやろう、私はアスターテ王朝の復活のために日夜真骨を注いでおるのだ」


「さよけ!ほんでわざわざ借金迄こさえて移民したと・・・」『難儀なやっちゃなあ!』


「借金!知らんぞ、そんなもの、其れよりわざわざ来たのだ、向こうの知っている事を教えて貰おう」


「何や!自費でこの船乗ったんかいな、豪勢なこって、まあ、知ってる事くらいなら・・・」


それからフィリップはアトランティス星の事を話し出した、ちなみにスワッチはしっかり借金をしてこの船に乗り込んでいたのだが係員に言われるまま書類にサインして自分が借金をしてこの船に乗っている事に気がついていないだけであった


それから数日間船内で暇を持て余しているスワッチはフィリップの所に話しを聞きにくると誰も講習を受けに来ずやはり暇を持て余しているフィリップが迎え入れ話し込む内に意気投合する様になった



そんなある日フィリップはスワッチに全農の陰謀の話をすると


「何故だ?それでは移民したものは騙された様なものではないか」


「そうや!そやけど騙されるんは各々かってなんや!騙されんように移民しとる者もようけおる」


「それではフィリップ殿は騙される方が悪いと言われるのか?」


「そうわ言わんが!移民でチャンスを掴む者もちゃんとおるんや」


「ふーむ!ではせめて皆にこの事を・・・」


「無駄や!やめとき、言うだけ無駄なんや、契約自体は詐欺でも何でもないんやから」


「・・・・」


その後沈黙が二人を包み会話は終了した、そして後日



「ええー!皆様、今日は全農の講習にお集まり下さり有難うございます、私本日の講師を致します【スコッティ・カシミヤ】と申します、本日はよろしくお願いします。」


何とスワッチはスコッティの研究農家のガイダンス会場にいた、そしてスコッティが条件面の話を始め会場がざわつき始めると席から立ち上がり


「その条件でこの者達は借金返済が可能になるのかな?」


突然会場中に響き渡る声に全員が注目するとオペラか何かの主人公ばりに壇上に向かい両手を大きく広げあるいて行くスワッチ!


「どなたですか?突然に」


「申し遅れた様だな!私はスワッチ・ド・スワサンと申す者だよスコッティ君!」


「スワッチさんは何か不安をお抱えのようだが」


「不安!私に不安などありはしないよ、スコッティ君、私が心配しているのはこの場にいる人達の事だ」


「何が心配なのかね?この方達の」


「さっきも言った通り、この人達の借金が返済出来るかどうかだ!」


「失礼だがこの方達の負債はこの方達の問題であり、私の今説明しているのは研究農家にご協力願いたい、そして自分で言うのは何だが破格の条件でお願いしているつもりだが」


「それで借金が・・・」


「先程も説明したが今は研究農家のご説明だ!研究農家に興味がない方はどうかご退場ねがえますか?」


スコッティがそう言うと数人の係員がスワッチを取り囲み会場の外へ連れ出そうとする


「なっ!何をする、私は【スワッチ・ド・スワサン】アスターテ王朝に連なる貴族だぞ!」


「確かアスターテ王朝とは遠い昔に崩壊した王朝でしたな!構わん、連れ出せ!皆様!お騒がせしました、説明を続けさせていただきます・・・・」


スワッチは会場の外に放り出されると今後全農とは一切の関係を持たないと宣告されるが元々農業などする気もないスワッチは気にもせず


「ああ!勿論だとも、私には大きな役目があるのでね!」


と意味不明な答えを返す・・・が!この日『ケッタクソ悪い』とガイダンスの様子を見ていなかったフィリップが後日この内容を聞きスワッチの元へ飛んできた


「スワッチはん!一体どないしたんや?」


「ああ!フィリップ殿、実は奴らの悪事を暴いてやろうと思ってだな」


「悪事て!法律上は何も・・・」


「やはりお前か!フィリップ、誰かが裏で糸を引いていると思っていたがお前だったとはな!」


「スッ!スコッティ、何で此処へ?」


「そんな事はどうでも良い!お前達二人は全農に良い感情を持たない様だから全農には【出入り禁止】の報告を出しておくよ!当然全農も首だ、フィリップ!まあ、船が着く迄はこの船に乗る事だけは認めてやろう、昔のよしみでな!はっはっはっは~」


突然の解雇通告と全農出入り禁止宣告!全くの生活能力ゼロの貴族の末裔と農業の知識は有るが全農出禁の男二人の未来は・・・・





フィリップ再登場させちゃいました

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