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移民農業奮闘記  作者: マダム
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田吾作の成長?

今回はちょっとシリアス?

ジョン家の家計が久々に黒字化した瞬間に急転直下大借金を抱え日の翌日、ジョンは芋を種芋にするための作業をおこなっていた、田吾作の方はユンボの購入に目処が立ったために将来隠し畑の大型化に向けての作業(主に草刈り)を行っている


現在の状況は畑に麦50アール、復活草50アール、休耕地300アール(3ヘクタール)で隠し畑の方は大根20アール、人参20アール、休耕地60アールである


種芋の消毒処理をしながらジョンは全ての畑を芋畑にすることを考えニヤニヤしながら作業をしているとエリーより呼び出し音が聞こえ作業をしていた倉庫から家に向かう


「どうした?エリー、何かあったのか?」


「お帰りなさい!マスター、実は田吾作の方で猪以外の生物が捕獲出来た様です」


「猪以外って!やばい奴か?」


「おそらく草食系の野生動物で鹿の様な生物ですが!田吾作と回線を繋ぎます」


エリーは軽トラと通信を繋ぐと慌てたように田吾作が話し出す


「エリー様!どういたしましょう?きっと足が折れています、ああ!かわいそうに」


「落ち着け!田吾作、足がどうしたんだ?大丈夫なのか?」


「ああ!マスター、酷いです、トラバサミなんて危険な罠はやめましょう」


「だから落ち着けって!お前の足はトラバサミじゃ折れねえよ、大丈夫だから」


「マスター!違います、タゴサクが言っているのは野生動物の足が折れているのを言いたいのです」


田吾作と同調したエリーが説明してくれた、どうやらトラバサミにかかった鹿もどきの愛くるしさに胸キュンした田吾作が動物愛護に目覚めたらしい


「マスター!早くお医者さんを呼んであげて下さい」


「あ~!エリーさん、このアンドロイドは何を言ってるんだい?」


「マスター!そんな醒めた目で私を見ないで下さい、タゴサクの責任は全てマスターにあります!私ではありません」


「それはそうだけど!エリーも教育係りとして責任があるだろ!」


「いいえ!あんな子を産んだ覚えはありません!」


「そんな事より!早く救急車を呼んであげて下さい!」


出来の悪い子供を持つ両親が責任のなすりつけ合いする会話と泣きじゃくる子供!そんな会話中に通信が入る


「今日は!エリーさん、あっ!ジョン君もいたんだ、今日は~」


「今日は!アケミさん」


「今日は!アケミ様、どういたしましたか?」


「ジョン君!今度は一緒に飲もうね!エリーさん、昨日お願いされた簡易のプレハブだけどコンテナじゃあダメかな?それなら格安で良い出物があるんだけど」


「マスターは忙しいので飲みのお誘いは落ち着いてからになさって下さい!マスター、拉致があきませんのでタゴサクの方へ向っていただけますか?」


「そうだな!了解、トラクターで行って来るよ」


そう言ってジョンは隠し畑に向って行った


「どうしたの?いったい」


「実は!そうだ、アケミ様、鹿もどきの買取りって出来ますか?」


アケミとエリーは鹿もどきの買取り金額を話し出す、その後プレハブの話しに移るのだが


「何かね宇宙湾に放置されたコンテナがあってね困っているらしいの、移動させるのも費用がかかるらしくって、だから持って行ってくれるなら基本ただなんだって!」


「移動費はどの位必要ですか?」


その後の話し合で鹿もどきと交換する事に決まった、最もただのコンテナであるので宿泊施設に改造するのに費用はかかるのだが其処は勿論ジョンお得意のDIYで済ませてしまおうと考えるエリーであった



その頃隠し畑に到着したジョンは


「田吾作~!お~い、どこだ~」


「マスター!ここです、こっちで~す!」


ジャングルの奥から田吾作が走り出てきて両手を振っている、ジョンが近づくと


「マスター!お医者様はどこですか?」


「いねえよっ!そんなもん、それより何処だよ?鹿もどきは」


「こっちです!ついてきて下さい」


木々をかき分けジャングルの奥に進むとトラバサミに足を挿まれたどう見ても鹿がぐったりと横になっている、ジョン達が近づくとと首だけあげて此方を見ている、かなり衰弱しているようだ


「全く!どう見ても鹿じゃあねえか、田吾作、鹿は知ってんだろ」


「はい!存じ上げております」


「それじゃ~!こいつが畑の作物を食べるのもわかるな!」


「はい!食べるでしょうね」


「なら俺たちにとっては邪魔者ってのはわかるよな!田吾作」


「でも!私達が来なければ・・・」


「俺たちはここで農業やってるんだ!畑を荒されちゃあ俺達が生きていけねえんだ、動物愛護だの環境破壊だのはもっと裕福になって余裕が出来たら考えるから今は考えるな!」


「しかし!・・・」


「しかしもくそもねえ!殺るんだ」


「・・・・」


「おしっ!わかった、俺が殺るからどいてろ」


「・・・・」


「おらっ!さっさとどけって」


「・・・・!わかりました、マスター、私に任せて下さい」


「ん!苦しませないよう、スパッと殺ってやれ」


その後田吾作はアンドロイドらしく何の躊躇いもなくスパッと作業を行っていく、ただ何時ものように口数は無くただ黙って作業を行う、ジョンも何も言わずただその様子を見ていた


後日鹿もどきと交換でやってきたトレーラーはやはりジョンが移民した時に家毎放り込んでいたコンテナで田吾作が【鹿ハウス】と趣味の悪い名前を付けたがジョンは文句を言わずそのまま【鹿ハウス】と呼んでいた

更新間隔が長くなり申し訳ありません、まだしばらく不定期更新になると思います

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