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移民農業奮闘記  作者: マダム
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出荷

芋がドナドナです!

「エリー!考えなおせ、あれは俺には必要な物なんだ」


「いいえ!マスター、今当家に必要なものは【お金】です!」


のっけから世知辛い会話でのスタートだが芋の収穫後ベネディクト一家は軽トラに山の様にお土産の芋を積んで帰って行った、その後エリーに芋の鑑定を頼んだジョンは全ての芋を食用にすると宣言した事にエリーが反発、種芋を残して全て出荷すると言い出したのである。


「せめてちょっとぐらいは残して食べさせろよ!」


「仕方ないですね!ちょっとだけですよ、マスター」


それからちょっとの範囲で駆け引きが行われ大幅にジョンが引く形で話が落ち着くと


「鑑定結果が出ました!C判定ですね、マスター」


「そうか!B行かなかったか!残念!」


「Bは全体の10パーセント程度上位ですので・・・、マスターの芋は全体の30パーセント程のランクかと思われます」


「そうか!もうちょいだな」


「いいえ!精々【中の上】ですから、未だ未だです!」


それから明日の予定を話し合う、勿論買取り先のアケミを交えて予定を決めていく



そして翌日ベネディクト家からオートパイロットで帰ってきていた軽トラに芋を載せシゲモン商会へと走らせるジョン!勿論もう一つの収穫物である猪もどきの肉と毛皮も載せてだ!


シゲモン商会に到着したジョンは商会の受付に


「すいません!ジョン・ニシガワラと申します、アケミさんはいらっしゃいますか?」


「はい!伺っております、ようこそいらっしゃいましたジョン様、私はカヨコ!此方にいらして下さい」


案内されたのは商会の裏手にある倉庫の様な場所で車で乗り入れ出来るようだ


「先ず此方で収穫物の鑑定サンプルを提出願います」


「あっ!一応うちで調べてきたデータを持って来たんですけど」


「それでは!データも一緒に提出をお願いします」


ジョンはサンプルとデータを提出しそのまま出荷出来るのかを確認する


「後!このまま出荷させてもらっていいですか?まだあるんで取りに帰りたいんですが」


「アケミさんから聞いています、当商会のトラックで取りにうかがう事も出来ますが」


「本当ですか!助かります、軽トラだと何度か往復しないといけないんですよ!」


「買取り価格は鑑定結果待ちとなりますが」


「ああ!了解です、鑑定結果が出るまで待ってますよ」


「それでは此方でお茶でも・・・」


「ジョン君!来てたのね、カヨちゃんなんで呼んでくれないのよぉ〜」


「ああ!アケミ姉さん、(汗)アケミ姉さんの手を煩わせなくても私に任せて・・・」


「ダメ!ジョン君はアケミのお客様なんだよぉ~!、カヨちゃんは他のお客様の相手をお願い!さぁ、ジョン君、お茶飲みに行きましょ」


アケミの乱入で突然騒がしくなりジョンはそのままシゲモン商会のラウンジに連れ込まれる


「あの~!ここはお茶では無くお酒を飲む場所ではないですか?」


「そうだよ!お酒も飲めるの、ジョン君、お酒飲む?」


「いやいや!昼間だし!仕事中だし!」


「ジョン君って真面目だね!ちょっとくらいいいじゃない」


「ダメです!車ですから」


「ええ~!オートパイロットついてるんでしょう、いいじゃん」


「アケミさん!昼から飲んでるんですか?何時も」


「飲まないよ~!今日は特別だから」


「特別って!ただ収穫物を出荷しにきただけですから、頭腐ってるんですか?・・・って、あああっ!」


「どうしたの?ジョン君」


「忘れてた!猪もどきも持ってきたんですよ!軽トラ載せっぱなしだ」


ジョンは急ぎ軽トラに戻り猪もどきの肉を出荷ヤードに運びこんだ


「ふう~ん!これが猪もどきの肉なんだ、こっちが毛皮ね、本当に猪そっくりね」


「多分一緒なんでしょうね、もう呼び方猪でいいかと思ってますし」


「ねえ?頭は?頭は持ってきてないの?」


「頭は持ってきてません!いるんですか?何に使うんですか?」


「頭は剥製にして壁に飾るの!お金持ちっぽいでしょ」


「普通鹿とかでしょう!まぁ、今度は頭も一緒に持ってきますよ」


「うん!そうして、それより捌かないでまるごと持ってきてよ、その方が買取り価格高く出来るから」


「そうですか!それは助かります、価格の話はエリーにしといてもらえますか?」


「ん!了解~、それじゃ~お酒飲みに行きましょ!」


「お茶です!それより鑑定結果出たみたいなんで買取りお願いしますよ」


「ええ~!お酒を・・・」


「アケミ姉さん!後私がやりますから仕事してて下さい」


その後鑑定結果を持ち帰ってきたカヨコに猪肉と毛皮も併せて買い取ってもらいトラックの集荷の話し後ジョンの純血は守られたまま帰宅する事が出来た



帰宅後遅れて到着したシゲモン商会のトラックに芋を積み込み出荷!


トラックのシゲモン商会に到着を知らせる通信が入りエリーとアケミによる値段交渉の結果ジョン家の負債であった【トラバサミ】の代金の返済!各種種の購入!残り少ないレーションの大量購入!お客様お泊り用の超簡易プレハブ型コンテナ(格安、中古)の購入!その他生活雑貨(田吾作が使えるキッチンセット)の購入を済ませてなおかつ若干の現金収入が入った


何という事でしょう!現金の無かったジョン家に数ヶ月ぶりの現金が!


通信を切ったエリーは再び何処かへ通信を始めた


「こちらはエリーです!スティーブさん、お久しぶりです、以前お願いしていたユンボの頭金が出来ました、ええ!そうです、はい!中古の掘り出し物がありましたら、ええ!修理はマスターがいたします、そうです、ではお願いしますね、はい、直ぐに振り込みます、はい、失礼します」



久しぶりの現金収入は数分後には莫大な借金に変わったようだ!

更新が不定期になり申し訳ありません(汗)

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