クリスとマス
サブタイトルはあまり関係ありません
「とにかく!早くしてくれ、そうだ!一日でも早い方が良いんだ!」
「あんたっ!またサボって、いい加減にしなよっ」
「サボってなんかいねえよっ!今大事な話をしてんだ!、ああ!すまん、女房がうるさくてな、とにかく早くしてくれ、シゲモン商会って所はもう店舗オープンするって話しだぞ!頼んだぞ!」
「誰と話してたんだよ!あんたは仕事もしないで」
「そんなのやっても一緒だろうが!買い取り業者と連絡取ってたんだよ」
「仕事もしないで買い取り業者読んでも仕方ないでしょ!」
「馬鹿野郎!ジョンとハンソン所は急ぐんだろうが!」
のっけから喧しい会話をしているここはクリスとマス夫婦の家、農作業をしていたクリスが旦那であるマスの姿が見あたらず家に探しにきて上の会話になったようだ
「それで買い取り業者は来るの?」
「未だだ!農家が二件じゃ、割に合わねえんだとよっ!」
「そう・・・!なら仕方ないじゃ無い」
「そんな訳にはいかねえよっ!何としてでも来てもらわねえと」
マスは焦っていた、ファンの口利きで来たシゲモン商会に対抗する様に自分の口利きする商会にもこの星にきてもらわねば、それに商会一社だけだと買い取りを買い叩かれて結局現状の全農と変わらない状態になってしまうのだ
「それより仕事しなさいよっ!」
「どうせなにやったってD判定しかでね〜よ、給料出るんだから適当でいいんだよ」
「馬鹿言ってんじゃないわよ!ちゃんとやんないと契約違反で給料だって削られるんだからね!」
そうなのだ!全農研究農家には契約があり著しく農作業を怠った場合給料の減額、若しくは停止と詠われているのだ
渋々農作業に戻るマスとケツを蹴り上げるクリス
農作業が終わり帰宅後
「おい!研究農家終了後の収入の計算してみたんだが、破綻してるぜ!うちの家計」
「だから!あんたがちゃんと働かないから」
「いや!そうじゃなくって、聞けよ」
マスの話では三年後(正確には二年と数ヶ月後)から据え置いていたローンの返済が始まるのだがその支払いが現状どう転んでも不可能なのだとか
「何でそんな計算になるのよ?」
現状の給料では毎月の生活で貯金などは不可能で研究農家終了後に入る予定の収入は収穫後の売り上げ迄見込めず、早い収穫物でも三ヶ月程は必要なので破綻決定だという事らしい
「じゃあ!今から節約してお金を貯めて・・・」
「一回目の返済の金額はいくらだ?全然足んねえよ、節約したって」
「でも優良研究農家になればお給料だって増えるし」
「D判定で優良研究農家って!ベネディクトの人参でもDだぜ、優良なんて出す気はねえよ!全農は」
「じゃあ!どるしろって言うのよ?」
「ジョンみたいに隠し畑でも作るか」
「そんなの出来る訳無いじゃない!今の畑だってあるのに」
「ぶち捨てる!訳にもいかねえか、契約破棄で違約金取られるんだろ」
「ええ!どうしたら・・・・」
「今日の会議でみんなに相談しようぜ!嵌められたってよ、気付いてない奴も多いだろ!」
会議で
「・・・と言うわけで俺達は破綻している、少なくともうちは破綻だ!貯金もねえしな!」
ベネディクト「うちだって!貯金何てないぞ、どうする?」
ファン「そうか!研究農家の方が追い詰められてるんだな、クソッ!給料が出るからって余裕かましてたぜ」
スタン「うちだって余裕があるわけじゃねえぜ!早いか遅いかの違いだろ!」
ジョン「エリー!どうしたらいい?」
エリー「大丈夫です!そのための隠し畑です、今は未だ小さいですが今後も開墾は続けますので研究農家の皆様に畑の貸し出しは出来ると思います、勿論手数料はいただきますが」
一同「「「「「えっ!」」」」」
エリー「そうですね!余裕があるなら定期的にお手伝いをいただければ助かります、何せ人手が二人しかおりませんので」
ジョン「エリー!こうなる事わかってた」
エリー「はい!お話を伺った時に、確信が持てませんでしたので黙っておりましたが詐欺師のやり口ですね、ファン様とマス様は薄々気付いていてたんじゃ~ありませんか?」
ファン「ああ!D判定が続いて気付いた」
マス「まぁ!薄々な」
マスの背後でクリスが【嘘つき】と叫んでいる
エリー「現状畑が足りませんので他の農家の方へこの話はしないで下さい、畑が拡大してから他の農家の方達にはお話ししましょう」
ジョン「話しだけでも先に教えた方がよくないか?」
エリー「いけません!全農に話が漏れると手を打たれる可能性があります、現状有利なのは全農です、計画は蜜を持って良しとします、それに騙される方が悪いのですよ」
エリーのドライな意見に一同寒気を感じたが、ともかく方向性を見出せ安心する
その後も色々話し合われ各家三年後(二年と数ヶ月後)のローン返済に向けての貯蓄を目標にすることが決まった
連休のストックができません!涙