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移民農業奮闘記  作者: マダム
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ジョンとアリー

サブタイトル、小さな恋の物語

隠し畑も開墾と落とし穴の設置が終わりいよいよ種蒔きしようかと向ってみると先日設置した落とし穴に猪もどきがかかっていた、種蒔きは諦め猪もどきの処理する事に!蘇るおぞましい記憶を振り払い猪もどきの頭を狙い槍もどきを振り落としその命を奪う。


田吾作の猪もどきを担がせ畑の回りを歩かせる、所謂【死の行軍】だ!流石に二回目なので血を浴びる事も無く畑に血の臭いを点けたら一旦帰宅し解体作業だ!


「田吾作!解体作業頼むぞ」


「お任せ下さい!マスター」


田吾作は熟練の猟師の様にサクサク作業を進める、何の心配もいらないようだ、『前回あれ程苦労して解体したのは何だったのだろう』ジョンの心に一抹の寂しさが溢れたがあっという間に解体作業は終わった



種も蒔かないうちから罠が発動した事を重くみたジョンとエリーは更なる罠の設置と周辺の探索を決めた、

タイミング良く以前注文していた【トラバサミ】も手に入るらしい


「それではマスターは明日シゲモン商会でトラバサミを受け取って来て下さい」


「了解だ!ついでに猪もどきをお裾分けで配ってくるよ」


「それでしたらアケミ様にも渡して買い取れるかどうか聞いてきて下さい」


「えっ!売っちゃうの?猪もどきを」


「はい!恐らく売る程取れます」


新たな商売に目を付けたエリー!がめつくお金の臭いを感じたようだ!


「血の臭いを付けて来たから大丈夫じゃあねえ?」


「売れる様なら臭いの外で狩をします!マスター」


あっさりと農家の壁を突き破る宣言をするエリーに若干引きながら


「きっ!危険なんじゃないかな?」


「ご安心下さい!マスター、狩はタゴサクにお願いします」


「はい?私がするのですか?」


「はい!お願いしますね!タゴサク、差し当たって明日は更に落とし穴の設置をお願いします」


「よっ!狩人田吾作!かっこ良いねえ~」



その日の会議で「明日はお肉のお裾分けを宅配するよ!」と伝え眠りについたジョン



翌日ベネディクト家


アリーは朝から憂鬱だ!今日着る服が決まらないのだ、成長期のアリーは最近グンと背が伸びた、成長期なのだから喜ばしいことなのだがおかげで自分の持つ服が全て小さくなってしまったのだ、本来なら成長期に併せ大きな服を増やしアリーコレクションを充実させたいがここは未開の惑星、服屋など無い!


憂鬱な顔をして朝食を食べていると


「どうした?アリー、不景気な顔をして」


「うん!何でも無いの、パパ」


『服を買ってくれ』などと言えず黙り込むアリー、服屋も無ければ金も無いのだ、うちは・・・(涙)


「解った!ジョンが来るから新しい技でも考えてるんだな」


そうなのだ!ジョンが来るからこんな腕も脚も七部丈の服が恥ずかしいのだ!お洒落がしたいのだ!なのにいきなり図星を突かれ乙女心を見透かされたアリーは


「違うわよっ!パパなんて大嫌い!」


いきなり愛する娘に大嫌い宣言を受けたベネディクトは石の様に固まった


「アリー!ちょっと来なさい、貴方はもう少しデリカシーを学んでね!」


奥の部屋へ連れて行かれるアリー


「アリー!これを着て見なさい」


「ママ!これは・・・」


「もうすっかりレディーになったんだから着れるでしょう!私には少し若過ぎる服だからもう着れなくなってタンスの肥しになってたの、だから貰ってくれる?」


「ママ!・・・有難う」


リンが若い頃着ていたドレスを着たアリー、少しドレスが大きいようでリンに手直しして貰い丁度のサイズに


「だけどこれを着たらもうJJに飛びついちゃ~ダメよ」


「うん!ママ、有難う」


「もう!泣かないの!それとパパにちゃんと謝りなさい!」


泣き止み部屋を出たアリーが


「パパ!さっきはごめんなさい!」


ベネディクトはいきなり愚れた娘がドレスを着て大人の階段駆け上がりこれまたいきなり謝罪の言葉を言い出すのを聞くと何やら娘が嫁に行くような気分になり号泣し出した



そんなベネディクト家の騒動を他所に


「今日は~!アケミさんいますか~?」


オープンしたてのシゲモン商会へ入りアケミを訪ねる


「ああ~!ジョンさん!いらっしゃ~い」


ジョンはアケミに猪もどきの肉を渡して買取の話を提案する


「多分大丈夫だよ!後で分析してまた返事するね!」


話がついたので残りの肉を配りに行こうとすると


「私もついて行っちゃ~ダメかな?スタンさんにも会いたいし」


現場シゲモン商会と取引出来る農家のスタン家をその目で見てみようとジョンに頼むアケミ


「軽トラの助手席ですけど大丈夫ですか?」


ゴージャスなアケミに軽トラは似合わないので聞くと


「全然大丈夫!乗せて行って~!」


と言う訳でみんなの家に肉の配達へ



その頃ベネディクト家では


車の音が聞こえ家を飛び出すアリー!


「アリー!ダメよっ!飛びついちゃ~!」


リンの制止の声に


「飛びつかないわ!服を見せるだけだから~」


そう!おしゃれな自分をJJに見せつけてやろう!そう思い飛び出したアリーが見たのは


「今日は~!ハンソンですけどジョンはまだですか?」


アリーが見たのは肉が待ちきれなくベネディクト家迄取りにきたテリーとドリー兄弟であった


「あっ!まだJJは来てませんけど・・・」


「おっ!アリーちゃん、お洒落して、もうすっかりレディーだね!」


JJではなくがっかりしたアリーだったがテリーのコメントを聞き気分良く


「お肉を取りに来たのね!JJは未だだからうちへどうぞ」


ベネディクトの家でお茶をしながらジョンを待つことに、その間やたらとアリーを褒めるハンソン兄弟、親としても娘を褒められると嬉しく以上に和やかな雰囲気に、そんな時に車の音が


一同来るべきジョンを出迎えようと家の外へ、アリーも二度目の出撃であり余裕を持って歩いて外へ、レディーは飛び出したりしないのだ、最後に出て驚かすぐらいの余裕が必要だ!魅惑の変身を遂げたアリーとしては・・・



貴婦人のように優雅に外に出たアリーが見たのは何処ぞの年増の女に鼻の下を伸ばしたJJ!



音もなく駆け寄ったアリーがマウントポジションを取りジョンを打ちのめしているさなかまで一同の笑顔は崩れなかった、それ程の瞬殺!気付いた一同がアリーをジョンから引き離した時には既にジョンは虫の息であった


唯一その動きを捉えれたテリーの解説によれば


瞬歩の動きでジョンに近寄ったアリーの超低空フライングボディーアタックでジョンを倒しながら関節を決め馬乗りになり体重の乗った拳を叩き込む、ここで正気に戻った一同に引き離されたという事らしい



この後この場にいた一同の認識として『ジョンの嫁はアリー』ということだけは決定事項として認識される


「兄貴!ひょっとして親父よりも強くねえか、あの嬢ちゃん」


「いや!下手をすると母ちゃんでもやばいぞ」


どうやらハンソン家の最強はレイチェルらしい、あの小さな女性が最強なのが信じ難いがたった今見た事実が有るのだ、そういった事もあるのだろう


「それじゃ~!お洒落な服飾関係のお店を手配しますわ」


リンとアリーの話を聞きビジネスチャンスを感じたアケミは洋服屋をオープンさせる事を決意!


「俺はこいつを配ってくるわ!」


今にも魂が口から出そうになっているジョンに代わり配達を代行する事になったベネディクト!娘を嫁に出す気分を感じ号泣後娘の婿が決定し娘と婿の代わりに肉を楽しみに待つ家庭に肉を配達する苦労人である


最後にジョンは配達が終わったベネディクトが帰って来ると軽トラに載せられ家に返される事に・・・


運転?運転なんていらない!オートパイロット機能で送り返されたのだ、あまりに不憫な気もするが娘を奪われる親父にすると送り返されるだけまだマシらしい、ベネディクト談

一応ヒロイン決定

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