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移民農業奮闘記  作者: マダム
26/58

深夜の戦い

今回田吾作君がやっちゃいます

田吾作と見張りを交代しようと家を出たジョンは田吾作を捜すが


あたりは真っ暗で何処にいるのか全く見えない、仕方なく


「お~い!田吾作~!何処だ~」


大声で呼びかけると


ガチャコーン、ガチャコーンと田吾作が走りよってきた


「遅いです!マスター、何かいますよ、あの茂みの辺りです


田吾作が指差す方向を見るが真っ暗で何も見えない


「なっ!何がいるんだよ?お前ちょっと見て来いよ」


「嫌です!と言うより無理です、エネルギーがきれそうです」


「嘘だ!まだいけるだろ、ちょっと見てくるだけだから!」


「ダメです!ピコーン、ピコーン、ピコーン、ほらエネルギー

切れの音が」


「嘘をつけっ!そんなカラータイマーつけた覚えないぞ、

口で言ってるだろが~!」


「ああぁ!エネルギーが切れるぅ~」


そう叫び田吾作は家に駆け込んでしまった


「あの薄情者!本当にカラータイマー付けてやろうか!」


とブツブツ言いながら指さされていた場所に近づくジョン


かなり腰が引けている


ようやく暗闇に慣れた目で茂みを見渡すが獣の気配は感じず


ただ暗闇があるだけだ、しばらく様子を伺い畑の周りを巡回


しているとガサゴソっと茂みの方から音がする


「いるのはわかってるんだぞ!出て来い」


勇ましく声をかけるがガサゴソという音が聞こえるだけだ


ジョンはそこらに転がっていた石を拾い上げ茂みに向かい


投げつけるとフゴッフゴッと鳴き声がして何かの物体がジョンに


向かって走り突進してくる


「うぎゃ~!くるなぁ~」


やはり落ちていた棒切れを掴み振り回しつつ逃げ回るジョン


あまりの剣幕に猪もどきは何処かへ走り去ったがジョンは今だ


走りまくっている



夜半遅く迄そんなことを続けていたジョンは何度か猪もどきの


襲撃を受け、何度か撃退し『これは間違いなく餌場認定されている』


と考え罠の設置を検討する


明け方近くエネルギーチャージの完了した田吾作が交代にきたので


落とし穴の設置を命令し家に帰る事にした




翌朝目覚めたジョンが畑に出てみると昨日程ではないがやはり


何者かに畑が荒らされている、主に東側の被害が大きいので


東にあるジャングルから奴らは来襲しているようだ


そこでジョンは東側に田吾作に命じ落とし穴を何カ所か設置する


昨日掘った穴にも上からわからないように被せ物をして落とし穴


として活用その日一日中かかって数箇所の落とし穴が完成した


早朝明け方から工事現場よろしく穴掘りに明け暮れていた


田吾作がエネルギー切れをおこしそうなので今日はジョンから


見張りにつく、長い夜の始まりだ、しかし二日目の睡眠不足と


昼間の重労働のため見張り中にジョンは眠ってしまう夜中に


エネルギーチャージの完了した田吾作に叩き起こされる


「マスター!マスター、ナニネテルノデスカ?」


「うふぁぁ~!んっ、何だ?田吾作か、どうした?」


「どうしたではありません!マスター、見張りはどうしたのです、

眠りこけていては見張りは出来ませんが」


「ああ!悪い、眠っちまったようだ」


「全く!ヤレヤレマスターに任せた私が馬鹿でした、今日は

もうお休み下さい、朝迄私が完璧に見張っておきます」


ジョンはイラっとしたが眠ってしまったのは自分なので文句も


言えず帰って眠ることにした


「さて!ダメ主人はあてになりません、私が朝迄見張らなければ」


独り言を言い見張りを始める田吾作、暫くたつと


「しかし朝迄ながいですね!明日もありますし、仕方ありません

低燃費モードに移行しましょう」


田吾作は畑の中央で動かずセンサーだけを働かせ見張っている


また暫くたつと


「よく考えれば明日の作業も土木作業でエネルギーを使いますね

マスターに任せられません、スリープモードでエネルギー消費

を抑えておきましょう」


誰にともなくそう宣言するとスリープモードに移行した


畑の中央には案山子になった田吾作が仁王立ちしている


翌朝目を覚ましたジョンが畑に出て見た光景は荒れ果てた農地の


中央で朝焼けに輝きながら昇天しているかのような田吾作がいた


「たっ!田吾作、お前・・・」


田吾作に近寄り猪もどきとの死闘の末昇天してしまった田吾作


に抱き着きながら涙を流すジョン


「必ず!必ず敵は討ってやるからな!田吾作ぅ~」


田吾作との思いでが走馬灯のようにジョンを支配していた


溺れた田吾作をおぶって帰った事、やはりエネルギー切れ


をした田吾作をおぶって帰った事、馬鹿にされたこと、


主人を身代わりにしようとした事、思い出すたびに


どんどん怒りがあふれ出してくる


そしてジョンの怒りのブルテージがマックスになった頃


「何を泣いているのですか!マスター、大の男がみっともない」


「んっ!何、なんで生きてるんだよ、お前」


「マスターこそ!私に抱き着いて何を泣いているのです?」


「お前!昨晩なにしてたんだ?」


「私は不甲斐ないマスターに代わり畑の見張りを」


田吾作は気付いた、畑は明らかに荒れ果てている


「見張っててなんで畑が荒れてるんだ?」


「私は今日の作業のためにエネルギー消費を抑え・・・」


「寝てたんだな!お前寝てただろ」


「失礼な!低燃費モードを超える消費を抑えたスリープ・・・」


「寝てんじゃね~か!爆睡モードじゃねぇか」怒



この後エネルギー消費をセーブし元気一杯の田吾作と


一晩ぐっすり眠り元気一杯の鬼ごっこが始まる


まだ二人は気付いていない、眠りについた事により結果オーライ


大金星を挙げた田吾作のスーパーファインプレーに


このファインプレーのおかげで田吾作は解体される事を


間逃れるのであった。

猪もどきはもう猪でいいでしょうか?


悩んでます・・・・

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