エリーの陰謀
今日もエリーの独断場です
翌朝少々不機嫌なエリーにたたき起こされたジョン
「何怒ってるんだよ?エリー」
「別に怒っておりません!一晩中作戦を考えて疲れて
いるんです」
「あっそうだ!作戦いいの思いついた?」
「まだです!全農に連絡しなければなりませんので仕事
してきて下さい、夜までに詰めておきますから」
その後何時ものようにレーションを食べてから田吾作と
共に農作業に出かけたジョン
それからエリーが躍動始める
先ずは全農に連絡を入れヤクショを呼び出す
「お待たせしました!ヤクショです、エリーさんですね」
「お呼びだてしてすいません!ヤクショ様」
「今日はどのようなご用件ですか?」
「はい!先日のお約束した案件なのですが、アンドロイド
の購入を考えておりまして・・・」
「それは凄いですね!田吾作さんに続いて2体目ですか」
「ええ!人型ではありませんのが、それで送料の負担を
お願いしたいのです」
「ああ!送料ですね、大丈夫です全農の定期便を使って
貰えますから送料は必要ありません」
「それなんですが!ネットオークションを考えておりまして」
「ええ?ネットオークション、それって個人売買の・・・」
「ええ!ですので全農の定期便がつけえないかも・・・」
「そっ!それは困ります、定期便つかわなきゃ送料が・・」
「ええ!いくらかかるのか想像もつきません」
「そんな!・・・・」
「定期便使う方法もあるのですが・・・」
「本当ですか!ぜひっ、ぜひ教えて下さい」
エリーの説明ではネットオークションで落とした品物を
全惑星に展開している全農支部で受け取り、それを定期便
を使い運ぶというものだった、確かに定期便は使えるが
他惑星の支部まで使いジョン個人の買い物の輸送まで全農が
仕事しなければならない
「それはちょっと!私の一存では・・・」
「はい!私は定期便を使える方法をお教えしただけです
から、送料さえ負担していただければどちらでも」
通話が終わったあとヤクショは混乱していた一体全体何が
どうしてこうなったのか?確かに送料の負担は約束していた、
しかし個人売買のネットオークションだと?惑星間の送料など
いくらになるのか検討もつかない、仕方なく上司に相談する事
にした、相談後は最も安価であろうエリーの提案を受け入れる
一方、通話を終えたエリーは次の作業に取りかかる農業アンド
ロイドのカタログと説明書、それとジャンク品になったアンド
ロイドと農業機械のリストをネットの海から拾い上げる、
何せ数十万の端金で買える程アンドロイドは安くないのだ。
調べ物をしているうちに昼時となりジョンが帰ってきた
「ただいま~!エリー、やっぱり仕事大変だぜ、作戦できたか?」
「なっ!まっ、未だです、大体無理なんですよ、端金でアンド
ロイド買おうなんて!」
「なっ!どうしたんだよ、起こるなよ、頼むよエリー」
突然エリーが怒り出したので心配になったジョン、
実はネットで調べ物していて目に付いたエラン社製アンドロイド
を見てサボっていたエリーの逆ギレなのだがジョンは気づかない
「わかってます!マスターの我が儘をお聞きするのが私の使命
ですから、どの様な命令でもお聞きしますよ、私は」
ジョンの心は一体自分の言った作戦を考えてくれという願いが
どれだけエリーを苦しめているのだろうと考えた
「エリー!無理だったらいいよ、別の方法考えるから」
「いいえ!マスター、先程言った通り私の使命はマスターの願い
を叶える事です」
ジョンは激しく後悔した、それはまるで浮気をした男が恨みがま
しい事を何も言わず許してくれた嫁の元へ帰った時に感じる様な
そんな気分になった
本当は仕事をサボっていた所に突然帰ってきた主人に逆ギレした
エリーに言い負かされただけなのだがジョンは気づかない
その後昼食を取り終えたジョンは再び農作業へ
エリーは残りのリストを仕上げていく、膨大なリストが出来上が
り作業が終わる再びエラン社のホームページを見ていると服飾の
有名ブランドメーカー【チャンネル】のリンクを見つけてしまう
そこで写し出されたものはチャンネルの秋冬新作モデルだ!
エリーは農作業アンドロイドを探す以上の熱心さで秋冬モデルを
眺めている、溜息をつきながら
作業が終わり家に帰ったジョンにリストを見せ、この中から
30万キーン分の必要な物を選びアンドロイドをジョンに
作るよう作戦を説明したエリーはジョンがリストと睨めっこ
している間永遠とチャンネル社の秋冬モデルの素晴らしさを
ジョンに熱心に説明するのであった
夜遅く迄かかりジョンがリストアップを完成させた時には
何故かエリーは外部躯体購入時にはチャンネル社製の新作
モデルを一緒に購入する事をジョンに誓わせていた
私事ですが、沢山の方に読んでいただいて感謝しております!