いっ、芋を植えるぜ!
今回よりエリーがどんどん・・・
翌朝起きたジョンは何時もの朝食レーションを食べるといつもは感じない
(不味い)という感覚が襲ってきた、先日ハンソン家で味わった昼食が
いけなかったのであろうか?しかしジョンの舌は朝食を食べ終わる頃には
何時もの馬鹿舌に戻っていた、不味さが気にならなくなったのである
「さぁ!今日こそ念願の芋を植えるぜ」
何人たりと俺に異を唱える事は許さねえ!とばかりに周りを睨め回し
宣言するジョン、しばし周りを見渡すが反対意見は無いようだ
「ようしっ!それじゃ~田吾作は井戸を完成させてくれよ」
「お断りします!マスター、今日は体調が悪いのでお休みします」
「あのな!体調が悪いアンドロイドなんてこの世に存在しないんだ」
「本当です!マスター、頭がクラクラするのです、ゴホッ、ゴホッ」
「何を白々しく咳の真似事してやがんだ!手前ぇは」
「今日は!家の中での作業をさせて下さい、マスター」
「はぁ~!家の中で何をやろうってんだよ?、ああぁ~」
「は、機織りとか・・・」
「機織りだぁ~!鶴を助けた覚えはねえよっ、馬鹿言ってないで・」
「マスター!無理矢理させても効率悪いですから、今日は開墾作業
をさせましょう」
「開墾は終わっただろ!」
「いえ!次回からは更に畑を増やして色々な種類の作物を収穫
しませんと、芋の種類も増やさないと」
「そうだな!田吾作、それじゃ~今日は開墾な」
「しかし!私は調子が・・・・」
「タゴサク!折角マスターが井戸の作業を代わってやると
おっしゃっているのになんですか?井戸の作業をしますか?」
「いやっ!俺は井戸の作業なんて・・・」
「本当ですか!マスター、有難うございます、開墾やります」
「ちょっと待て!俺は別に・・・」
「マスター!今のうちです、それではタゴサク!開墾作業よろしく」
飛び出して行く田吾作!今日も開墾作業ははかどりそうである
何時の間にやら井戸の作業を割り当てられたジョンは首を傾げ
ながらそれでも種芋を植える作業に向かうことにする
作業中ジョンは種芋を一つ植えるたびに(二ヘラ~)と気持ち悪く
笑っている、どうやら収穫を妄想している様だが脳内でどの様な
妄想が成長しているのかは計り知る術はない
一方田吾作の方は草刈り機で草を刈っているがたまに木が生えて
おりその度に作業が止まる、細い気は持ち前のパワーで引っこ抜いて
しまうのだが、太い木にあたるとタックルやドロップキックを繰り
出して木を薙ぎ倒そうと悪戦苦闘中だ
お昼時昼食を食べるため家に帰ったジョン
「お帰りなさい!マスター、作業は順調でしたか?」
「ん~!三分の一くらい終わったかな?今日一日かかりそうだ」
「そうですか!少しペースアップして下さいね、
タゴサクの方は如何ですか?」
「ああ!あいつも苦戦していたなぁ、昼から斧とスコップもたすか」
そう言って温めたレーションを食べだした、その時
「マスター!クリス様より通信が入っております、繋ぎますか?」
先日の会議で見た(モニター越しに映っていた)妖艶な美女を
思い出しわけもなくドキドキしながらエリーに繋ぐよう頼む
「はい!JJ、今大丈夫?って本当にそれ食べてんだ」
スタンからにでも聞いたのであろうレーションを食べている
ジョンをみて目を剥いている
「はい!全然大丈夫です、クリスさん」
とりあえずレーションについては無視しておく様だ
「他人行儀ね!CCって呼んでくれるかな?あたしもJJって呼ぶし」
「了解です!CC、ところでどうしたんです?」
「ん~!まだ固いな、まぁいっか、JJって機械の修理得意でしょ」
「実は全農のレンタルの機材ってかなり故障が多いのよ、
それでね修理が間に合わなくって機材がこっちに回ってこなく
なってるの、全農も急いで修理してるらしいんだけど」
「僕の機材レンタルしましょうか?」
「うん!それは有り難いんだけど、JJの機材だけじゃ~
全然足りないのよ、そこで全農にJJを紹介してもいいかなって」
「え~と!全農の機材の修理って事ですか?」
「ええ!修理マンとして紹介してもいいなら紹介したいんだけど」
「はい!いいですよ、どうすればいいですか?」
「本当!それじゃ~担当官から連絡あると思うから、それと
ギャラはちゃんともらってね、エリー窓口の方がいいか」
「そうですね!クリス様、私が担当させて頂きます」
「それじゃ全農には紹介しておくからよろしくお願いね」
「それではマスター!連絡が有れば要件は私が聞いておきますので
作業にお戻り下さい」
ジョン達が作業に戻り暫くすると通信が入る
「クリス様の通信より28分ですか!かなりお焦りのようですね」と
独り言を呟き通信を受ける
「突然失礼します!私は全農【アトランティス】星、北半球支部の
【ヤクショ・ワーキン】と申します、エリー様ですか?」
「はい!ですが私はコンピューターです、(様)付けは必要有りません
、ヤクショ様と言うとマスターの担当の?」
「そうです!ニシガワラ様の担当という事で今回の件も私が担当です」
それから話は続き全農の用意している移民者向け農作業機械の半数が
現在故障中で修理出来る者がいないらしい、エンジニアを呼んでも
来られるのが数ヶ月先の予定で・・・・
「要するに!現在稼働している農業機械が約半数、そして今後も不動
機は増えて改善の見込みは数ヶ月先と・・・」
「仰る通りです!ですのでジョン様のお力をお借りしたく・・・」
「しかし!マスターも開拓がありますし・・・そうですね、軽トラ
か何かお借りできませんか?通勤用の足が無いのです」
「軽トラですか!そうですね、足は必要ですし、用意出来ると
思います、来ていただけますか?」
「お待ち下さい!マスターもお役に立ちたいと仰ってますが、
此方にもお仕事がございます、その保証も有りますのでノーギャラ
と言うわけには・・・」
「勿論です!ギャランティに関しましては・・・」
実はエリーは最初からこの話には乗り気であった、農作業では
あまり無い臨時収入のチャンスを逃す気は無い!
ならば此処は少しでも条件を釣り上げるべきである、全農は
誤ったのである、単に担当者だからと平社員に交渉毎を任せて
エリーという黒い、あまりに黒い交渉人が現れたのだ、
せめて顧問弁護士団の一ダースでもいれば話し合いになった
であろうこの交渉は終わってみれば全農、全面敗訴状態である。
この結果は・・・次回に報告!
黒いです、すごく黒いです、コンピューターにしておくの勿体無いです