ジョン初めてのお手伝いに行く
ちょっとずつキャラが増えてきました、今日も増えます
翌日日の出の前にたたき起こされたジョンはトラクターの整備に
取り掛かる、なにせ本日のお手伝い先のハンソンさんのお宅は
160キロも離れているのだトラクターの最高時速は約50キロ、
飛ばしても3時間はかかる距離だ、未開の惑星でドライブ中故障
してもJAFは来ない、念入りに整備をするジョン。
整備が終わり一旦家に入ると田吾作に向けて
「それじゃあ行ってくるけど!ちゃんと種蒔き終わらせておけよ、
それと芋はまだ植んじゃあねえぞ、俺がやるんだから」
「了解です!マスター、安心してこの田吾作にお任せ下さい」
そう言うと握り拳の親指だけ立てみせてくる、いわゆる
サムズアップだ、それを見たジョンは少々イラッとして
「何処で覚えたんだ?そんなこと、とにかく行ってくる」
そう言ってトラクターに乗りまだ暗い空へ飛び立った
早朝日の出前爆走中のジョン
「オラオラ!どきやがれ、俺達の爆走は誰にも止められないぜ」
どうやら脳内妄想(夜明けの暴走族)バージョンでお楽しみ中
ジョンは一人の時間を大切にするナイスガイ!決して可哀想な子
では無い!のだが・・・
「マスター!お楽しみ中申し訳ないのですが間もなくスタン様
の家に着きます」
「俺の魂の高速ターンに付いて・・・、っえ?聴いてたの?」
「はい!マスター、聞いてます、マッポは振りまけましたか?」
「エリー!盗み聞きは良くないぞ」
「インカムを切らないマスターが悪いのです、そろそろ高度を
落として下さい、スタン様の家は直ぐです」
ハンソン一家は朝焼けの空を此方に飛んで来る物体を眺めていた、
昨夜農家の会議でお願いしたジョン君が来てくれたのだろう、
人手による開墾作業は重労働で終わりが見えない、そんな時に
現れた光明、農機械による手助け、ハンソン一家は救世主を見る
目でジョンを出迎えた。
スタンは降り立った男を見る、昨夜の会議の男だ何故か異常に
顔が赤いがどうしたのだろう?
「よく来てくれた!ジョン、今日はよろしく頼む」
「はい!ハンソンさん、よろしくお願いします」
「スタンと呼んでくれ!それと息子達を紹介するよ、こっちが
兄貴の【テリー】、こいつが弟の【ドリー・ジュニア】」
「よろしくお願いします!ジョン・ニシガワラです」
「テリー・ハンソン!よろしく」
「ドリー・ハンソン・ジュニアだ!よろしく頼みます」
テリーは中々のイケメンだ年はジョンより上だろう、
ドリーもイケメンなのだろうが髪の毛が少々寂しい
「後!わしの嫁のレイチェルがいるが、今は腕によりをかけて
昼飯を作っている、昼飯は楽しみにしていてくれ」
「あっ!お気遣いなさらないで下さい、弁当持ってきたんで」
そう言うとジョンはトラクターからレーションを出す、
それを見た三人は目が点になる
スタン 「そっ!それを食うのか?」
スタンは驚愕していた、あれはレーション、ちまたでは食べるゲロ
などと呼ばれている品を堂々と食す宣言するジョンに
テリーとドリーも初対面の人間に、食う物が無くなって最後に
食う物と呼ばれるレーションをお弁当と呼ぶ異常に顔の赤い男に
恐怖さえ覚えてしまった。
「まっ!まぁそう言わずレイチェルの飯を食べてやってくれよ、
ご馳走作っているからよ、食ってくれ無いと胸が痛くなっちまう」
「そっ!そうだぜ、うちの母さんの料理は上手いんだぜ」
「たっ!頼むからうちの料理を食ってってくれよ」
上からスタン、テリー、ドリー
「はい!ではお言葉に甘えてご馳走になります、実は朝、昼、晩
三食レーションで飽きてきた処なんで助かります」
「さっ!三食・・・何かの修行なのか?それとも戒律か?」
「いやぁ~!一人暮らしなんで料理も出来ませんし安いですし」
「そっ!そうか」
スタンは昨夜ジョンの話を聞いた時何処かの金持ちの御曹司かと
思っていた、噂のコンテナ移民野郎はとんでもない奴だった、
ジャンクアサリのレーション食い!スタン達は恵まれていたのだ
少なくとも食生活においては・・・・
「ともかく開墾始めませんか?時間も勿体無いですし」
「そうだな!始めよう」
作業を始めると昨日迄の手作業による開墾と違って見る見る間に
畑が耕されていく、昼飯前には1ヘクタールあまりを開墾できた
「貴方~!もうお昼ですよ~」
「おっし!皆、昼飯にしよう」
スタンの声で作業が中断しジョンもその新しく聞こえた声の主を
見ると可愛いお嬢さんが、いや、お嬢ちゃんが目に入る
「ジョン!紹介するぜ、妻のレイチェルだ!」
「妻?お孫さんじゃあ無くて!妻?」
「まぁまぁ!お上手ですね、スタンの妻、この子達の母の
レイチェルです、ジョンさん、今日は有難うございます」
「ええ~!母って本当の?」
「ええ!私のお腹から出て来たんですよ、この子達」
この時、先程スタンがジョンに驚愕した様にジョンもまたスタンに
驚愕していた、180を超える様な大男のお爺ちゃんと140程の
女子高生にしか見えない女の子が夫婦、どうやったら成立するのか
しかも190を超えるマッチョな二人の子供の実の母親!
世の中にはジョンの計り知れない不思議に満ちているようだ
昼食はご馳走であったレイチェルの料理の腕は本物で何れも
素晴らしく美味しいのである、じょんも久しぶりのご馳走に
大男三人に負けない食べっぷりを見せた
昼食後食べ過ぎで動けなくなったジョンの代わりにスタンが
トラクターに乗り作業が再開、夕方迄にはハンソン家の開墾は
全て終了、ジョンは帰る時間になった
「今日は本当に助かったぜ!ジョン、有難な!」
「いえいえ!僕も勉強になりました、トラクターの乗り方とか」
「そうか!何でも聞いてくれ、農業の事なら教えるぜ!
それとこれはレイチェルから弁当だ!」
「本当ですか!有難うございます」
帰りのトラクター運転中ジョンはきて良かったと思っていた
ハンソン一家は温かく良い知り合いが出来た事を喜んだ
次回は私田吾作が主役です!お楽しみに