夜間会議
今日はあまり面白くないかも!涙
その日の夜
「今日の作業は全然だったな!」
「仕方ありません!マスター、天候も悪かったですしタゴサクも
あんな感じでしたし、でもこれで水対策は万全です」
「すいません!マスター、もう大丈夫です」
傘を開いたり閉じたりしながら田吾作が謝る
「本当か~?って傘は仕舞っておけって!」
ともあれこれで雨天時の田吾作の作業も問題無くなったであろう
「それよりマスター!そろそろ井戸を掘りませんか?」
「井戸?井戸って必要か?」
「あった方がいいです!マスターの飲み水が確保出来ますし」
現場川からポンプで組み上げた水を使っているが飲み水の場合一度
煮沸してからなので不経済らしい
「それじゃあ!今の開墾作業が終わったら田吾作に井戸掘りやって
もらおうか?」
明日からの予定は種蒔き、開墾、井戸掘りに決まったようだ、
なにせ今日一日何の作業も進んでいないのだから、涙
「それはそうとマスター!昨夜お約束していた農家のグループ会議の
お時間になりましたがいかがなさいますか?」
「ああ!そんな時間か、よし、繋いでくれ」
暫くするとモニターにいくつかの顔が映し出された、その中で一人
ベネディクトが映っていたのでジョンは安心すると
「おう!来たな、みんな!こいつがさっき言ったJJだ」
「あっ!皆さんジョン・ニシガワラと申します、よろしくお願いします」
突然紹介されたので少し焦ったが自己紹介を始めると
「ははは!お若いの、ここはそんなお固い場所じゃあないよ、わしは
スタン!スタン・ハンソンだ、宜しくな」
恰幅の良い体と白ヒゲがトレードマークのお祖父さんだ
「はい!よろしくお願いします」
「ファン・アスベル!全農の研究農家だ」
眼鏡をかけた農家より何処かの研究員って感じの男だ
「研究農家?何です?」
「俺と同じ全農に雇われている農家って事だ」
ベネディクトが答える
「わかりました!ジョンです、よろしくお願いします、ファンさん」
「私も研究農家のクリス・クリスよ!皆CCって呼ぶけど」
褐色の肌が色気を醸し出すお相手願いたいお姉さんタイプ
「女性の方もいるんですね!よろしくお願いします」
「本当なら亭主が来るんだけどね、うちの馬鹿亭主は怠け者でさ、
処で私は名前だけどあなたは何でJJなんだい?」
残念な事に亭主持ちにがっかりしたところで
「こいつは機械いじりが趣味で(ジャンクいじりのジョン)でJJ」
横からベネディクトに答えられるとその場全員が笑出す
「移民した奴の中に大荷物の噂になってた奴がいただろ!」
ベネディクトの一言でその場の笑が収まる
スタン 「ひょっとしてこいつが?」
ベネディクト 「ああ!JJが大型コンテナ持ち込みした男だ」
スタン 「なぁ!コンテナの中身ってのは何を積んできたんだ?」
ジョン 「色々です!農機具とか機材とか・・・・」
ベネディクト 「 家ごと移民しやがったんだよ、こいつは」
ベネディクトが発言した瞬間会議に参加している者達が沈黙、
その場の可哀想な者を見るような関心するような不思議な感覚が
会議の場を支配した
クリス 「ジョン君!ちょっと気になるんだけど後ろに
映ってるのは何?」
ジョン 「後ろ?って家の中で傘さすなって言ってんだろ」
ベネディクト 「おおっ!起動させたのか、そいつ」
ジョン 「はい!仕事手伝ってもらってます、皆さん!
こいつは【田吾作】アンドロイドです」
モニターの前に田吾作を引っ張り出し会議参加者に紹介
しつつ着込んでいたカッパを脱がせる
「すごいな!アンドロイド迄いるのかよ・・・」
誰ともなくつぶやかれる
ベネディクト 「しかも全部手作りなんだぜ」(ニヤリ)
ベネディクトの一言から会場は怒号のような質問が飛び出す
全員農機械に飢えていたのだ移民後農作業を行うのは実質手作業
、機械は全農のレンタルが一般で自前の農耕機具は夢の一品だ!
特に研究農家以外自前の農家はほぼ手作業で農作業している、
全農のレンタル品は結構高価らしい
実際自前農家のスタンは未だ開拓作業中である
「ジョン君!余裕出来てからでいいんだけど、落ち着いたら
農機械貸してくれない、もちろんレンタル料払うから」
クリスのこの一言が再び会議に火をつけた、会場に怒号の
ようなお願いが吹き荒れる
「みんな!落ち着いてくれ、なぁジョンお前さんもう開拓
始めてるんだろ、今どんな感じなんだ?」
「はっ!はい、種まき始めたところです」
その一言の後、今日一番の怒号が吹き荒れた、怒号が収まった
ころジョンの農機械のレンタルが何故か決められていた、
途中から農家側代表ベネディクト対レンタル会社側敏腕
マネージャー(エリー)の対話は政治家の対談のようであった。
嵐の過ぎ去った後(会議の終了後)自分がいつの間にか売られて
いたことに気付いたジョンエリーに文句を言うと
「マスターの得意分野を生かせるのは機械いじりですよ!
それを生かさないでどうするのです」
「しかし農作業はどうすんだよ?」
「タゴサクがいます!それに使っていない機材がもったいない
じゃないですか、皆さんも助かるんですよ」
「田吾作に農業できるのかよ?」
「出来ます!」
「・・・・俺要らないんじゃ・・・・」
「はい!明日種まきが終わってから皆さんのお手伝いです」
「はい!って・・・・涙」
「それでは明日は早く起こしますのでもうお休み下さい」
日に日に扱いがひどくなっていくエリーはそう言うと
証明を落としてしまったのでジョンは眠りについた
次回 進撃のジョン (仮)