開墾4
こっそりと星の名前が決まってました
突然の空からの来訪者(物)に恐る恐る近づいた二人はお互い
押し合い謎の物体に相方を押し付けようとしている【天下無敵
の二人】はどこに行ったのか?
「田吾作!ちょっと調べて来いって、早く行けよ」
「マスターが責任者なのですよ!マスターが行って下さい」
「お前この為にチューンアップしてやったんだぞ、行ってこい」
「いいえ!違います、私は開墾専用アンドロイド【田吾作】です」
「なに使用方限定してんだよ!お前作ったの俺だぞ」
「いいえ!違いますぅ~、マスターがしたの改造だけです~」
「お前なに女子高生みたいに否定してんだよ!OS腐ってんのか」
「失礼な事言わないで下さい!マスターが・・・」
天下無敵の二人が罵り合っていると来訪した謎物体が
「こちらにジョン・ニシガワラ様はいらっしゃいますか?」
「うわっ!しゃべった、しゃべったぞ、田吾作」
「ええ!マスター、ご指名ですよ、マスターがご指名です」
「ああ!そうだな、田吾作!要件を聞いて来い」
「あの~!こちらのモニターを見ていただけませんか?」
謎物体は再び発声し真ん中ぐらいの位置のドアが開きモニターが
現れた、丁度冷蔵庫の二段目の位置だ
「突然空から申し訳ありません!私は全農【アトランティス】星、
北半球支部の【ヤクショ・ワーキン】と申します
、以後宜しくお願いします」
「ぜっ!全農が何で・・・、どうしてここがわかったんですか?」
「あのっ~!各種種のご注文を頂きお届けしたのですが」
「あっlああ、種ね、うん、注文したよ、種」
ジョンは開発申請を1ヘクタールしかしていなかったので、現状
4ヘクタールもの開発しているのでそれを指摘されるのではないかと
オドオドしていた
「それではこちらが各種種です!ご確認下さい」
そう言うと冷蔵庫(?)のドアが開き中には種と芋が入っていた
荷物を取り出すと田吾作に持たせる、そしてこいつを早く帰そうと
「んじゃ~!これが受け取りのサインね、じゃ、有難う」
いつになくテキパキと作業しながら早く帰そうとするが、
「はい!有難う御座います、本来なら直接お会いしてお届けするの
ですが、何分当支部も出来たてでして遠方の会員様にはご迷惑
おかけ致しております」
「気にしないでくれ!あんたも忙しいだろうに有難うな」
「いえ!私は支部の端末に座っているだけですので大して忙しくも
ないんですよ、しかし上空から拝見しましたが開発のペースが
お早いですね~」
「ギクッ!そっ、そうかな?そんな事無いんじゃ無いかな?」
「いえいえ!ご謙遜なさらないで、私の担当している方達は移住
申請して数日でここまで農地を広げている方はいませんよ」
「ギク~!いやっ!これは違うんだ、え~と、こいつが、こいつ
田吾作って言うんだけどな、馬鹿でな~、ちょっと開墾任せたら
馬鹿みたいに畑広げちゃったんだよ!馬鹿だけに」
「おおっ!もう既に機械化導入されているのですね、どうりで早い
訳だ、ニシガワラ様は僕の担当のエース的存在です!頑張って下さい」
「おっ!おう、有難うよ、それじゃ忙しいんで」
「ちょっとお待ち下さい!何かお困りな事は御座いませんか?
僕も担当者としてお力添えする事が出来れば・・・・」
「今んとこは無いよ!何か有ったら言うからその時は頼むよ」
「そうですか!わかりました、お忙しい所をお邪魔致しました、では」
ローターが回転しだし謎物体(全農のドローン)は空へ飛び立った
何も突っ込まれなかった事に胸を撫で下ろしたジョンは家に帰り
種を保管しエリーに今あった事を報告するのであった
「・・・と言うわけだ、やばいかな?」
「マスター!その心配は皆無です、全農は農地が大きく収穫量が多い
方が喜ぶのです、マスターの心配しているのは税務署です」
「でも!全農が税務署に言ったら・・・」
「それは有り得ません!税務署は政府機関、全農は政府機関っぽい
ですがただの財団法人です、繋がりは有りません」
「そうなんだ」
「ええ!それに税務署が来るにしても数年から数十年先です」
ともかく危機は去った、ジョンのオッチョコチョイの勘違いだが
そこで遅れていた開墾作業に戻る二人、既にトラクターによる土の
掘り返しは4ヘクタール分終了しているので二人並んで石や根を拾い
集める作業にはいっている、そこで
「マスター!先程私の事を馬鹿と仰いましたね」
「ん!なんだ突然、そんな事を言うはず無いじゃないか」
「いいえ!確かに仰いました、ヤクショ様に私の事を馬鹿と・・」
「馬鹿だな~!あれは言葉のあやでだなぁ~」
「あっ!又馬鹿と言いましたね」
「いやいや!今のは違うだろ、ちょっと突っ込んだだけだろ」
「私の事を馬鹿と言うことは私のマスターが馬鹿って事です」
「なんだと~!お前の事は何と言われようがかまわんが、
俺のことは馬鹿とか言うんじゃない!」
「私の事を馬鹿という人はマスターの事も馬鹿だと思ってるんです」
「全く!誰に似たんだか?それより手が止まってますよっ!
田吾作さん!早く手を動かしなさいっ」
それから日がくれる迄二人は開墾を続けた、一言も話さず
やはり似た物どうしだ
その夜、食事を(レーション)をしながら
「・・・でだな、明日は残りの開墾作業を田吾作に任せて俺は
種蒔き始めようと思うんだ!」
「そうですね!それで良いかと、それとそろそろベネディクト様に
近況報告なされた方が良い頃だと思いますが」
「そっか!忘れてたよ、エリー、回線繋いで」
「了解しました!マスター」
暫くするとモニターにアリーのアップが映し出される
「ようっ!アリー、元気か?」
「元気か?じゃないわよ!馬鹿JJ、ちゃんと連絡よこしなさいよ」
ここでモニターにベネディクトが映る
「済まんな!JJ、アリーが心配するからもうちょっと豆に連絡
してくれると助かる」
ベネディクトの背後から
「心配なんてしてないわよっ!」
と、声が聞こえる
「はぁ~!済みません、バタバタしてまして」
「はははっ!元気にしているのか」
ジョンは近況報告として明日から種蒔きに移ると報告する
「そうか!順調そうで何よりだ!それとな、お前さんに教えて
やろうと思っていたのが・・・・」
それは移民した農家達がネットによるグループ会議をしている
事でジョンにも参加する様進めてきた
「そうですね!他の農家さん達とも交流出来ますし、参加します」
「了解だ!そっちの方は俺から話しておくから早めに参加しろよ」
「わかりました、明日にでも早速」
こうして通信は切られた、最後に毎日連絡を入れるようアリーに
約束させられたが
次回!やっと種が蒔ける・・・のか?