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移民農業奮闘記  作者: マダム
10/58

開墾

注 開墾シリーズ、永くなりそうです

定住を決めた次の日の朝、ジョンは独りでに起きた、やる気に満ちた男


には【目覚まし】は不要だ


「お早うございます!マスター、お早いお目覚めですね」


「お早う!エリー、今日は良い天気みたいだね」


二カッと笑うがまだ歯を磨いていないので歯は輝いていない


「お早う御座います!マスター、エリー様」


「お早う!タゴサク、早速マスターの朝食の用意をお願い」


「お早う!ダメ作、ミディアムレアで頼むよ」


「私の名前は田吾作です、マスター」


「馬鹿言ってないでさっさと歯を磨いて来て下さい」


だいたい軍払い下げのレーションを半生焼きにしてどうしよう


というのか・・・・


朝食を食べながら今後の(今日の)予定を話しだす


「早速芋から始めるか!エリー」


「芋ですね!種芋を注文しますがその前に開墾が必要です」


「そうだな!ダメ作、今日はちゃんとやれよ」


「私の名前は田吾作です、マスター」


「その前にマスター!家のエネルギー量が30パーセントを切って

いますので先に太陽光パネルを設置して下さい」


「だそうだ!ダメ作、精密機械なんだから壊すなよ」


「私の名前は・・・・」


「マスター!あなたもやるんです!」怒


二人(一人と一機)は二時間程時間をかけパネルを展開した


「どうだ?エリー、充電効率は?」


「比較的良好ではないかと思われます!マスター」


「良し!次は開墾だな、・・・何やりゃいいんだ?」


「マスター!移民船で何をしていたのですか?」(声が震えている)


「ちゃんと講習受けてました!え~と、開墾は・・・」


「はぁ~!先ずは伐採(伐木、刈払い)ですね、そして火入れ

(野焼き)、抜根、荒起し、砕土」


「そうだな!草刈りから始めようか」


「その前に綱貼りです!開墾予定地を決めましょう」


「ああ!うん、そうしよう・・・・」


開墾予定地は家の前方100m×100mの1ヘクタール、本来なら住居


スペースをいれ1ヘクタールまでの土地所有を認められているのだが


家は車で押し通すって事で目一杯広げた


(怒られたら土地を広げるなり農地に駐車するなりすれば良い!)



妙なハイテンションに支配されたジョンを止める者はいなかった


「よし!それじゃ~草刈りから行くか、いくぞ、ダメ作」


「私の名前は田吾作です!マスター」


家の前の草原を草刈り機で草を刈るジョンと鎌で草刈る田吾作


二人は(もう面倒くさいから二人)一心不乱に草を刈る


恐ろしい事に夕方にはほぼ全て1ヘクタールの面積を刈り切った


「ふ~!やっと終わったかな?そっちはどうだ、田吾作」


「田吾作~?返事しろよ、せっかく田吾作って呼んで・・」


遠くで田吾作が立ち尽くしている、ジョンが近寄るが動く


気配もない、まるで屍のようだ・・・


「おい!田吾作、返事しろよ、ダメ作って呼ぶぞ」


田吾作は動かない、いや、動けなかったのだ


動力であるバッテリーを使い切り正に燃え尽きた状態


「たっ!田吾作、真っ白い灰になっちまったか・・・」


「マ!マ・ス・タ・-・エネ・ル・ギー・がっ・・・・」


「って誰がお前を持って帰るんだよ!をいっ!」


ジョンはエネルギーの切れた田吾作を背負い家に帰る事に


しかし一日働き通した身体に60キロの重量は過酷であった


ゲージも振り切る程溜まりまくっていたやる気も消え失せる


ほどに・・・


毎日のように田吾作を背負って帰る状態に、この子は


【いらない子】なんじゃないかと考えるまでに時間は必要なかった


「お帰りなさい!マスター、いかがなさいましたか?」


「ぜぇ、ぜぇ!田吾作がエネルギー切れだ、ぜぇ、ぜぇ、」


「おや!まぁ、それは大変でしたね、大丈夫でしたか?」


「俺はもう限界だ!田吾作は売っぱらっちまおう、全く」


「だめですよ!これから馬車馬のように働いて貰うのですから」


「でもこいつ実働4時間くらいしか動けないぜ」


「バッテリー増設すればいいじゃないですか!マスター」


「ええ~!増設用のバッテリー高かったんだぜ~」


「いいからつけて下さい!マスター」


「いいからって!疲れてんだよ、今日は一日働いて」


「毎日働くんです!一人で毎日働くのですか?毎日一人で」


「たまには休みも必要だろ?」


「たった一日働いたくらいでなんです!残業です、今日は」怒


田吾作の内臓バッテリー増設作業は深夜迄かかった、昼間の仕事と


「夜ご飯だけは食べさせてくれ」というジョンの心の叫びに了解


したエリーの優しさがあだとなり睡魔に襲われ作業が終わるころ


にはジョンはゾンビのようになってしまっていた


だから作業後即寝込んだジョンを責めるの事は出来ないだろう


たとえ翌日に地獄を迎えることになろうとも・・・


いつものように会話が独り歩きし話が進まない!涙

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