ミュウとのデート・・・じゃなくて遊び!
次の日俺は待ち合わせ場所に向かった。仮にもデートだ。女の子を待たせるのは良くないから10分前に着くように向かった。女の子は支度とかで遅れてくるものだと思うが念のためだ。
「なぁ、俺、もしかして時間間違えたか?」
遅れるか、ギリギリに来るかだと思っていた。なのにミュウはすでにそこにいた。正直、誘うだけ誘ってこない可能性も視野に入れていたからビックリだ。
「ううん。時間通りだよ。それじゃあ行こっか?」
「あ、ああ。」
カラオケに行くつもりだったが、いざ歌うとなると歌がない。森育ちだから仕方がないとはいえこのままだと遊び場が限られてしまう。今度何か歌を練習しよう。それはさておき、結局ボーリングに行くことになった。まぁ、ボーリングもやった事が無いがルールは知っている。
「それじゃあ行くぞ!」
俺の第1投。初心者の最初の関門、ガターに見事に引っかかった。続けてもう一回もガター。
「あれ、ゼラルって初心者?」
「・・・ああ。」
少し拗ねた言い方になってしまったのは仕方がないだろう。龍神になってもできないことってあるんだな。
「ゼラル、しっかり見ててね。投げる時の姿勢はこんな感じだよ。」
そう言ってミュウがボールを転がす。何と9ピン。こやつ、出来る・・・。
「今みたいな姿勢で転がすといいよ。次は転がす所だけど手前に印がいっぱいあるでしょ?」
確かに三角形みたいなものが並んで何個かある。
「その印を目安に転がすといいよ?こんな感じで。」
見事にスペア。凄いな。
「次、ゼラルだよ?」
「よし、任せろ。」
俺は言われたように転がしてみる。すると1ピンだけだが倒した。
次は目印をずらして投げる。するとなんとビックリ。
「す、スペア!教えたばかりなのに!ううん、偶々よね。」
その後にも9ピンや8ピンスペアにストライクなど高得点を連チャン。最終スコア142。ミュウ曰く、初心者のとる得点では無いそうだ。
その後はご飯を食べ、ゲーンセンターに行って対戦したり協力プレイなどした。そんな所でいい感じの時間になった。
「いや〜、ゲーンセンター楽しかったわ。おかけで財布が少し軽くなったぜ。」
「ふふふ。まさかあんなにハマるなんて思ってなかったよ。また、そのデート、じゃなくて遊び!そう、遊んでくれる?」
「ああ、正直思ってたより全然楽しかったぜ。また今度な。」
そう言って、俺はミュウと別れた。
「何か企んでいると思っていたが純粋に楽しんでいるように見えたし俺の中でミュウの好感度はうなぎ登りだな。まぁ、誰得だよって感じたけど。」
最後までミュウの気持ちに気づかないのだった。




