ミュウ ノワールの気持ち
私たち、魔帝の一族はゼラル イレイズがラン ジュピターと決闘して数日が経ったある日、当主とその他数名が集まり会議を開いていた。いつもは定期的に行われるが今回は特別だ。その会議に闇の魔帝一族として私、ミュウ ノワールも参加した。他にも、ラン、ユーナ、エリー、ゾル、レイも参加していた。
「おい水の、聞けばゼラルとかいうのは貴様の子どもらしいではないか。」
何かと水の魔帝に突っかかる火の魔帝の当主が水の魔帝当主を追及する。
「・・・・・すでに親子の縁は切った。」
「それが問題なのだ。もし、そいつが魔帝に牙を抜くことがあればタダでは済まんだろう。証拠に緑のところの娘はいとも容易くあしらわれたらしいではないか。」
「・・・・・私も全力で応戦しましたが格が違いすぎます。絶対の自信があったスピードまでも完全に上に行かれました。」
ラン本人の答えた。
「スピード自慢の緑のもこう言っている。確かスピードなら当主とも渡り合えるとか有名だよな。」
「はい。」
「つまりだ水の、ゼラルとかいうのはスピードだけなら魔帝をも凌ぐということだ。」
「・・・・・・。」
流石の水の魔帝の当主も反論できないようだ。
「その辺にしろ、火。問題はゼラル君をどうするかだ。」
私の父、闇の魔帝当主が問い出した。
「水のところの責任だ。水がなんとかしろ。」
「・・・縁を戻せと?」
「戻せないだろう?なら、復讐される前に潰すなり、信頼を築いたりしろ。」
「俺たちグラント家がなんであんな落ちこぼれの責任を取らなきゃならねんだよ!」
「貴様、確かゾルと言ったか?少し黙れよ。じゃなきゃ、殺すぞ?」
「っ!」
ゾルの憤りを一瞬にして冷ました。確かにあの殺気は私も怖いかも。怒らせないようにしないと。
「なら、ひとまず様子見でいいか?」
父がいきなり意味不明な事を言い出した。どこからそんな結論が出るのですか。
「様子見だと?どう言うことだ。」
「今の所、ゼラル君が危害を加えられたところはない。もしかしたら復讐など考えてないかもしれない。なら、お互いに無干渉で行った方がいい。ゼラル君はどう扱っても構わないがそれぞれ自己責任とする。どうだ?」
誰も何も文句を言わなかった。
「なら、決まりだな。ミュウ、帰るぞ。」
私たちは帰路に着いた。
帰る途中、父に言われた。
「なぁ、ミュウ。今でもゼラル君の事は好きか?」
「えっ・・・・・えっ!!!」
私は突然そんな事を言われて戸惑ってしまった。
「お前が、ゼラル君を男として好きだったのは知っている。むかし、彼と遊んだ時のお前を見て分かっていた。だから婚約したんだが違うのか?」
たたたた確かにむかし、彼と遊んでいて楽しかったけど別に好きとか///
「どうやら、まだ好きみたいだな?ハッハッハー!」
「お父様!」
「照れるな、照れるな。なら、また婚約してもいいぞ?」
「・・・えっ?」
「だから、好きなら結婚してもいいぞ?幾ら何でも魔帝として、弱すぎたむかしの彼とは婚約を破棄させたが、今は力を身につけた。なら、何の問題もない。さっきも言っただろう?ゼラル君をどう扱っても構わないと。まぁ、自分で考えろ。お前の人生だ。」
一度は諦めたこの気持ち。でも、許されるなら、彼とともに。