中間テスト
ランとの戦いで結果的には敗北したが、実力的には圧倒的に上ということが明らかになってしまった結果、そのことが噂になり、実技の試験で俺に絡む奴が連発してきた。まぁ、Aクラスの奴らはあの戦いを見ていたからか手を出してこなかった。しかし、3年のBクラスと合同の時は困った。次から次へと勝負を挑んでくるのだ。たまに疲れた、と言ってマックスに相手を流したりもした。まぁ、基本的に平和だ。
そんな中、明らかに態度を変えた奴が1人いた。闇の魔帝一族のミュウだ。婚約は解消されたが、また婚約しないかと言い出したんだ。それでも諦めてくれないが、基本的に何もなく日常を送っていた。そんなある日。
「お前ら、忘れてねーとは思うが来週から中間テストがあるからしっかりやれよ!実技はこのクラスにいるから大丈夫だとは思うが筆記もしっかりやれよ。赤点とった奴は補習だかんな!」
・・・まずい。非常にまずい。本気で忘れていた。普段、復習はしているが完璧とは程遠いい。イレイズの名前を使って脳筋だ、などと言われたら発狂してしまうかもしれない。ここは協力者を作らなければ。
「マックス、今日から勉強しまくろうぜ?」
「やだよ、俺は一夜漬けする派だから?」
一夜漬け、だと・・・。
「も、もし、寝落ちでもしたらどうするんだ?」
「大丈夫、俺、最初から補習引っかかるつもりだから。何科目か赤点じゃなければOK的な感じ。」
ダメだ。こいつは勉強しないつもりだ。ならどうする。
「誰かとやりたいならノワールさん、誘えば?最近、なんか積極的なんでしょ?多分付き合ってくれるって。」
「ミュウか。正直、あいつと二人きりは無理だな。一人でやることにするさ。」
「最初からそうすればいいのに。」
「うるせー。」
俺は一週間休み時間まで使いテスト勉強をしていた。
そしてテスト当日。
「なんだ・・・この問題は・・・。」
そう、テストの問題は・・・凄く簡単だった。間違えがあったら逆に聞きたいくらい簡単だった。
「どうだった、マックス?」
「2つは赤点回避しそうだ!」
「フッ、これだからカッスルは。」
「俺の名前はマッスルだ!そういうゼラルはどうなんだ?テスト前はすげー慌ててたじゃん。」
「中間テスト、1位の座は俺のものだ。」
「本当になりそうで怖いな。」
なりそうも何も、実技は間違いなくトップだろう。さらに筆記は間違えがあったらびっくりする、と言えるほど自信がある。間違えなくトップだろう。
「テスト返ってきたら、祝いに行こうぜ!」
「赤点二個回避のか?」
「ゼラルの一位のだよ。」
「じゃあお前のおごりな?」
「うっ!」
俺らの会話を盗み聞きしてか、魔帝の一族らがすごい形相で睨んできていた。
ちなみに後日返されたテストは、オール満点でまたもや噂が広まった。
マックスは財布がスッカラカンになってしまった。ご馳走様でした。
次回は魔帝一族視線で書こうと思います。