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短編集

IF WORLD

どーも『螺旋 螺子』です☆

携帯が壊れたので、なかなか更新出来ません・・・。

今回は、少し悲しめの恋愛物語でございます

最後まで、読んで頂ければ幸いですm(__)m

今振り替えると、奇跡だった。

はたまた運命かと思った。


あの日、まるで僕を遮る為に降りだしたどしゃ降りの雨。


「間に合わなかった」


僅差で行ってしまったバスを雨に打たれながら見送った。


そんな折、


「濡れるよ?」


スッと傘を差し出してくれた彼女。


「あ、ありがとう」


これが彼女との、出会いだった。

まだまだ、僕と同じ幼い姿をしてるのに・・・何処か大人びた一面を見せる彼女。

「僕は君と結婚する」なんて。

幼い頃の小さくて、でも大きな約束。

一緒にテレビを見て笑い合い、飼ってた犬が死んで泣き合い。


少し大人になって、勉強をしなさいだとか、一緒に遊びましょうとか言って、手を引っ張ってくれたね。


もう少し大人になって、背も母に勝ち、大人になりたくて煙草を吸う様になった。

彼女とは、そのたびに大喧嘩して、何度も傷付け、何度も泣かした。

本当にごめんね。


でも嫌いな訳じゃ無いんだよ?

実はとっても好きだったんだ。


「星が綺麗だ」と夜空を指差し、「君も綺麗だ」と彼女を指す。


僕は、君が大好きだ。

例え、君が「何者」であろうと、例え、「僕の命を狙っていた」としても・・・。





「好きだ」

ちゃんと彼女に届いただろうか。

大丈夫、僕は君を恨みはしない。

君にとって、「僕の死」が必要ならば、喜んで受け入れしよう。

だから泣かないで、綺麗な宝石を零さないで。

拭いてあげたいのは、やまやまなんだけど、何分、もう、力、が・・・。

いま、まで、ありが、と、う。

来、世、は、けっ、こん、で、き、た・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

――――――――――――――――――――――――――――――――――


彼の事切れた姿が視界に映る。


「こちら、ターゲットを殺害、任務完了」

「承知した。長期任務ごくろうだった」


未来から通信が耳に入り、途絶える。

また、涙が零れる。


「!!!!」


彼の名前を叫ぶ。

返事は、当然無い。

私が、彼を「殺した」からだ。

幼い頃から一緒だったから、かれこれ17年を共に過ごした。


殺したく無かった。

でも殺さなくてはならなかった。

どうやら、彼は「未来」の障害になる様で。


何度も何度も書類を上司に送った。

返っ来る返答は、全て同じ。

「彼ヲ殺セ」


私が生まれた「未来」には、「彼の死」が必要な様で。


逆らう勇気の無い私は、忠実に「実行」した。

「私が愛し、愛された彼」を殺す。




あぁ、もし逆らえる勇気があったならば。


あァ、私がただの人であったならば。


アぁ、彼が私を受け入れなければ。


アァ、あの雨の日に出会ってなければ。


嗚呼、IFの世界だったならば・・・。


分かる事は、ただ一つ。

優しい誰かを失った事。


ならば、出る答えも一つだけ。


「彼のいない世界に用は無い」


さぁ、彼の無垢なる鼓動を止めた。

生きたいと願う鼓動を止めた。

この鋭い牙を私に向けよう。


それがせめての罪滅ぼし。


私の飛び散る血を彼に捧げよう。

息絶えるその時まで、優雅な舞を披露しよう。




来世は、きっと。

幼い頃に約束した。

「結婚」したいね。

どうでしたか?

今回も問い掛けはただ一つ。


二人は、幸せだったかな?

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