勇気ある決断
冷たくて、気持ちの良い風が吹いてるなー。
真っ昼間の公園も、中々良いもんだ。
あんなに無邪気に遊んで。子供はやっぱり可愛いな。
おいおい、母親なんだから、いくら公園内とはいえ、自分の子供はちゃんと見とけよ。
母親か……
「かあさん。今は何をしてるんだろ?」
そう言えば、いつからかな? 母さんの事を、ちょくちょくと思い出す様になったのは。
上京してから二年。振り返ると、あっという間だった。
こっちに来てまだ間もない頃、俺の話し方について、皆に良く言われたっけ。
「懐かしいなー」
今では、こっちの言葉が普通になりつつある。
向こうに帰ったら、自然と向こうの言葉が出るんだろうか?
「一度、帰ってみないと分からないか……」
だけどどうする?
逃げるように出て行って、二年間、ずっと音信不通だからな。
どの面を下げて戻れる?
「昔から俺、何も変わらないな」
この二年間、ずっと同じ事を言ってきた気がする。
これから先も、同じ事を言い続けるのだろうか。
「きっかけや勇気があればなー」
「ん? 誰からだ?」
あいつからか。
「もしもし?」
「もしもし。お兄ちゃん?」
「ああ、どうしたんだ?」
「最近、何してるんかな?って思って電話した」
「お前なー」
「お兄ちゃんは、こっちから連絡せんと、いつまでたっても連絡こーへんし」
「悪かったよ。お前は元気してるのか?」
「元気しとるよ。ところで、お兄ちゃんはいつ帰ってくるん?」
「分からん。帰るかもしれんし、もしかしたら帰らんかも」
「おかんもだけど、おとんも心配しとるよ?竜司は生きとんか?って」
心配? 俺の事を? 嘘だろ?
「お兄ちゃん? 聞いてんの? ねえ、お兄ちゃん?」
「ああ、悪い。ちゃんと聞いてるよ」
「皆、お兄ちゃんに会いたがっとるよ」
「会いたがっとるか……」
「そう。お兄ちゃん? そろそろ、一度帰ってこーへん?」
「悪い。電話が入ったから、一旦切るわ」
「あっ!待って。おにい……」
なんで、素直になれないんだろうな。
バカな兄貴だ。
「つめたっ」
俺が好きな風が吹くときは、いつもこれだ。
「あきらー? 雨が降って来たから、おうちに帰るわよー」
「はーい」
親子かー。俺にもこんな時代があったっけ。
良い機会なのかも知れないな。
雨も酷くなりそうだし、帰るか。
「ねえ、ママ? 今日のおやつはなあに?」
「今日はプリンよ。帰ったら一緒に食べましょ」
子供から学ぶ事もあるんだな……
母さんが電話に出たら、なんて言おう?
聞きなれた音なのに、凄い緊張するな。
「竜司?」
「……久しぶりやね。かあさん」
短い文章の中で、どれだけ表現できたのか?
私としては、自信0です。(笑)
ですが、どんな酷評も受け入れる覚悟がありますので、よろしくお願いします。