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第22話 どうしてもハートマークがいい

「拓哉、ここって……」


「ああ、ジュエリーショップだよ」


「それってもしかして……!」


「美優のお察しの通りだよ」


そう、俺が今日ジュエリーショップに美優を連れてきたのは《《結婚指輪》》を作るためだった。

近くにも店はあるのだが違うブランドのこちらの店のほうが評判がよかったのでこちらにしたのだ。

出来上がるのにも時間がかかるし既に入籍しているのだから作るのは早いにこしたことはない。


「拓哉……!ありがとう……!」


「はは、まだ何もしてないだろ。さぁ行こうか」


「……うん!」


美優と手を繋いで店内に進む。

有名ブランド店なだけあって店内は輝かしいアクセサリーたちに囲まれていた。

俺達は色々眺めながら店内を進む。


「美優は結婚指輪はどんなのがいい?既製品?セミオーダー?」


「私はセミオーダーがいいかなぁ……」


「了解。それじゃあ店員さんに聞いてみようか」


店員さんを探しながら歩く。

すると商品の配置の確認をしている店員さんを発見した。


「すみません。少しよろしいですか?」


「はい。大丈夫ですよ。あら……?」


振り返ると店員さんの顔はどこか見覚えがあった。

しかしどこで会ったか全く思い出せない。

でもどこかで見たことあるんだよなぁ……


「小百合ちゃん!?」


横で美優が驚いたような声を上げた。

あれ?美優の知り合い?

でも俺も会ったことがあるはず……


「やっぱり!美優ちゃんと村松くんだよね!私、松下小百合!覚えてない?」


そう言われて一気に記憶が戻ってきた。

彼女の名前は松下まつした小百合さゆり

俺達の高校時代のクラスメイトで数年前の同窓会で会ったぶりだ。

美優とは仲が良かった記憶がある。


「二人共久しぶり!今日は何をお求め?」


「今日は私たちの結婚指輪を買いに来たの」


「結婚!?二人も結婚したんだ!よかったね〜美優ちゃん、片思いが実ったみたいで」


「う、うん……」


それから二人は楽しそうに話し始めた。

俺は松下とはただのクラスメイトで仲が良かったわけじゃないので完全に蚊帳の外だ。

でも美優が楽しいそうなので全く問題なしだ。


「小百合ちゃんがどうしてここにいるの?」


「同窓会で宝石店の店員になったって言ったでしょ?こっちに一人暮らし始めたからこっちの店に就職したんだ〜!」


「そうだったんだ。また久しぶりに会えて嬉しいな」


美優は心から嬉しそうに笑う。

なんとも喜ばしいことだ。


「あら、話しすぎちゃった!それで今日は結婚指輪を買いに来たんだったよね。どんなのがお好み?」


途中で気づいたかのように松下が仕切り直した。

パンフレットを取り出し俺たちに説明を始める。

ここから種類や値段など美優と相談しながら決めていくのだ。


「セミオーダーがいいんだけど……」


「セミオーダーだね。それならここにデザインと素材の候補があるから二人で相談して決めてね」


見るとたくさんの候補が載っていた。

人生でたった一つの結婚指輪だし迷ってしまう。

美優の方を見ると目を輝かせてパンフレットを覗き込んでいた。


「ねえねえ拓哉……!どれにする?」


「うーん迷うな……」


「それじゃあこれとこれはどうかな?」


美優が指さしたのは素朴だけど美しいデザインをした指輪にダイヤモンドという組み合わせだった。

俺も派手なデザインは好きじゃないしなんならこのデザインは俺の好みだ。

俺としても異論は無いので首を縦に振る。


「拓哉の意見も言っていいんだよ?私たちの結婚指輪なんだから」


「うーん、そうだなぁ……」


確かに全部美優に任せてしまうのもよろしくない。

俺は何がいいか考える。

そして名案を思いついた。


「そうだ、じゃあ一つこだわりを出してもいいか?」


「もちろん」


お店側(私たち)もできることはするよ〜!」


美優と松下の同意が得られた。

俺は一呼吸終え口を開く。


「指輪に俺達の名前の間にハートマークを入れたい」


「………ふぇ?」


「お〜!熱々ね〜!刻印なら問題なくできるから任せて!」


どうやら可能なようだ。

結婚指輪は愛の証だしそれくらいいいだろう。


「た、拓哉……!それはちょっと恥ずかしい気が……」


美優はそう言いつつも満更でもなさそうな顔をする。

ニヤけかけてる口元がなんとも可愛らしい。


俺達は結局ハートマークを入れることにした。

これで指輪の構想が決定し値段などの説明をされる。

最初は俺が一人が出すつもりでいたのだが美優が「二人の結婚指輪だから」と二人で出すことにした。


「はい、それじゃあ手続きは終了だよ〜!」


「指輪完成までどれくらいかかるんだ?」


「1ヶ月くらいかな。出来上がったら美優ちゃんに連絡入れるね」


「了解」


「よろしくね、小百合ちゃん」


俺達は松下に別れの挨拶をして店を出る。

入店からかなり時間も経っていて日が高い。

お腹も空いてきたし昼食だな。


「まずは昼を食べに行かない?」


「賛成。私もお腹すいちゃった」


「そうと決まれば早速出発だ」


「うん!」


俺達のデートはまだ始まったばかりだ。

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