きょくちてきおおあめ らいじゅう
ミス(Miss)は近くのコンビニへ向かおうと、急ぎ足で歩いていた。
引きこもりがちであった私生活も時が過ぎ、少しづつ外へ出ようと努力する気持ちが湧いた。それからはたまにコンビニへご飯を買いに行く。
南闇もその方が精神的にいい、と助言してくれた。掴みどころのない人だが──とんだひねくれ者ではないの、かもしれない。
今にも雨が降りそうなどんよりとした曇り空の下、ビルとビルの、ほんの隙間に稲荷神社があるのを見つけた。
(都会って不思議なところだなぁ…)
故郷にはない風景にぼんやりしていると、大粒の雨が降り始める。慌てて暗がりに誘われ、稲荷神社に雨宿りをした。
土砂降りに加え、大きな雷鳴もしだした。ミス(Miss)は身を縮め、怯えるしかない。
ゲリラ豪雨に当たってしまった。予兆はしていたがもう少し遅いと思っていたのに。
雷がしっちゃかめっちゃかに降り注ぎ、その度に耳が壊れそうになる。
すると轟音に紛れ、ドシンドシンと形容しがたい巨大な獣の足が道路を踏んでいく。
(何あれ?!)
「雷獣だよ」
「らいじゅう…?」
「最近、海外からやってきた厄介な部類さ。本当に困っちまうねえ」
「海外にも雷獣?がいるんですか?」
「いるよ。あんたらがゲリラ豪雨だの、何だのいってる奴らは」
「えっ…」
足音が消えると、雨は降っているが落雷は収まってきていた。ふいに自分に声をかけてきた主を探すが、どこにもいない。あるのはたくさんの陶器で形作られた狐たちだった。
(まさか…)
稲荷の狐が話しかけてきた?
ポカン、としているも、そんなものかも知れぬと納得してくる。この世界には摩訶不思議な存在がいるのだ。
「お、教えてくれてありがとうございます…」
小さな神社に手を合わせてみる。
(雷獣も、いつか見てみたいかも…)
ほのぼのエピソード?




