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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜  作者: 犬冠 雲映子
(話ごとの題名がふざけていて申し訳ないです)
8/162

もにょゅ(ミス《Miss》というだれかのはじまり)

「生きるのツライなぁ…このまま、飛びおりたら楽になるかな…」

 スマホを操作して、呟いた。

 駅のホームで、電車を待つ。人気のない深夜の最終電車を待つ。

「最終電車で飛び降りても、すぐバレますよ」

「え…」

「こんばんわ」

 平凡な、どこにもいる男性。リクルートスーツをきた、就活生だろうか。

「あ、なら…私は終活生か」

 なんて、薄ら笑いを浮かべたくなるが黙って、彼を見た。

「あの、ずっと待っているんですけどぉ…終電、来ないですね…」

「はい。だって、終電は死んでしまいましたから」

「えっ?は」

「歩いて帰りましょう」

「歩くって、ここ、川の上ですよ?!」

 二こ玉川駅のホームは川の上にある。吹きすさぶ風に当たりながら、遠くにある夜景に途方に暮れた。

「僕も一緒に歩きますよ。終電、こないのはキツイんで」

「えええ、家、ここから、遠いんですぅ…」

「ほら」

 ホームから線路へ歩きだした彼は宙に浮いていた。「?!」

「手、かします」

 差し伸べられた手を握り、ゆっくり歩き出す。真っ暗な空間に差し掛かった時──

(あ)

 足元が何もなくなったように感じた。

(え、これ、しn)

 リクルートスーツの男性はこちらを見ている。

 笑顔だ。

追記 2024/10/05

後にミス(Miss)ちゃんになる人初登場です。

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