こんわく☆とろぴかる
一足先にやってきた無意味名 パビャ子の話によればこの『ターミナル駅』はエアラナタヤターミナルらしい。もちろん地球の駅ではなく、どこか何億も離れた星の文明である。ただし、この『エアラナタヤターミナル』もこの熱帯雨林に在来した建物でもない。
自分たちのように突如として現れたのだ。
「お、お前、異星人だったんか」
「まさかア!私が読んだんじゃなくて、あの、真っ白コーデのお兄さんだよ♡」
ターミナル駅のベンチで──ドラゴンフルーツに似たザクロ風の謎の果物を頬張っている、美青年と呼ばれる、ラファティ・アスケラだった。
「三日も全然起きないから死んだと思った」
「いやいや、うぁーっ、めちゃ頭いてえ〜っ」
「降って来たからな、お前さん」
「は?!」
乎代子は天井を仰ぎ、唖然とする。普通の人ならそこで即死だろう。
(──だからこんなに、死体があるのか)
ラファティ・アスケラは不気味な果物片手にこちらによってくると、脱線してぐちゃぐちゃになった車両を指さした。
「どうやら異星人たちは先に、駅からいなくなっちまったようだ。何百年も前かもしれねえ。手記に残されていたよ」
ラファティによれば、異星人たちはいきなり熱帯雨林に転送され、脱線事故も起き阿鼻叫喚だったらしい。この地がどこなのか、一体何が起こったのか?分からぬまま数週間、助けを求めるが何も起こらない。
──そうして、彼らは集団で駅から出る事を決意した。
「ラファティは何で異国語よめんの?」
「そりゃあ、博学多才だからさ」
ドヤ顔をされ、呆れるも地球人らしき遺体もある事が不思議に思えた。
「色んな生命体を呼び寄せているのか?」
「そうかもな」




