きょうかいくうかん☆とろぴかる
温室内にいると思っていた。ガラス張りの天井に蔦が絡みつき、水滴が落ちて来る。
乎代子は何か頭に酷い衝撃を受け、星が舞い、意識を失って、起きたら緑に包まれた謎の建物内にいた。
南国の野鳥、聞きなれない囀りと湿度の高い空気が気持ち悪い。体を起こすと隣に白骨死体があった。何体もある。
服装に統一感はない。自分のように、この建物内にやって来て──頭のうちどころが悪かったのかもしれない。
仕方ない。頭痛に顔を顰めながらも、辺りを把握する。何かのターミナル駅のようだ。
センセーショナルなデザインの、巨大なそれは熱帯雨林に生えた植物に蝕まれている。
(荷物…どこだ?)
自分の所持品は幸い間近にあり、頭痛薬を探す。あった。
(水があればいいんだけどよ)
白骨死体を避けながら案内板を見やる。読めない。アルファベットでも感じでもサンスクリット語でもない。
地球上には存在しない言語に思えた。
ピクトグラムを頼りに、トイレ?と思えるマークに向かう。最悪トイレの水でもいい。自らの雑な免疫力を信じているから。
至る所に『人間』の死体がある。頭があり、胴があり四足の骨がある。地球上でない世界の人間がこの形であると言う確信は無い。
きっとこの地にやってきた不幸な人々に違いない。
「あ、乎代子!やっと見つけたぁ〜!」
パビャ子が緊張感なく暗がりの通路から現れた。
「パビャ子。何であんたが?」
「夢じゃないよ。私も知らないんだけど気がついたらここに」
「ふーん…」
「信じてよォ!」
きつく腕を握られて痛みを感じる。夢ではないようだ。
パラレルワールド的ジャングルサバイバル第1話です。
よくある熱帯雨林が舞台になります。熱帯雨林に実際行った事ないので描写は全部想像です。
危険な毒虫やでかいニシキヘビがいるイメージがあります。
謎の小屋にいるニシキヘビ…。某探検番組の見すぎでしょうか…。




