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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜  作者: 犬冠 雲映子
キリトリセン(フス編)
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おはなみにゃ〜にゃ〜

 無意味名 パビャ子はお囃子が風に乗ってやってくるのを聞いて、妖狐たちがお花見をしているのに微笑む。

 お囃子には地位ごとに種類があるらしい。曲や踊り方。

 お囃子は関東地方では明治から伝わってきた流派など、それぞれ音色には伝播がある。

 あれはこの世の者でない部類たちが受け継いできたお囃子だ。妖狐たちも伝統を重んじる部類だから、お祭りをしているのだろう。

 狸らの太鼓がメインのお囃子ではない、艶やかなものだった。

 しかしパビャ子はお囃子なんてに興味はない。お花見にも興味もない。花は枯れる。それだけの事だ。

 人間にだって、人の世の栄枯衰退の様相にも興味はない。

 洞太 乎代子は桜を泡の集合体だと毛嫌い、見たがらないから──気が合っているのだとご機嫌になる。

「いよ!」

 威勢のいい掛け声をあげ、ぴょんと電信柱に飛び乗る。

「いよ!いよ!いよよ!」

 パビャ子は自由だから、阿波踊りの真似をする。真似は得意だ。

「たのしーね!たのしー!たのしー!」

 壊れたようにケタケタ笑いながら踊り狂う。今はそうしていたい。『春だから』、そうするモノだろう?

パビャ子には自由に生活してほしいこの頃です。

人生で一回は上野公園でお花見してみたいものでした。

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