えがおでおわって
かごめかごめ、が道端で行われていた。やっているのは子供でなく、大人だった。
真ん中にいるのは服装をめちゃくちゃにされ、『酷い目』にあった可哀想な女性だった。尊厳も体も踏みにじられ、泣いていた。
夜の帰り道に『酷い事』をする男性に襲われてしまったのだろう。
かごめかごめ。かごのなかのとりはいついつでやる。
大人たちは輪になって終わらないかごめかごめをやっている。
パビャ子は何となく近づいてそれを眺めていた。きっとこの大人たちはこの世のものではいのだろう。
うしろの正面だあれ。はこない。
後ろからやってきた敵の顔を見れなかったのだから。
仕方ないからパビャ子も一緒になって輪に入る。
「お姉さん!!一緒に遊ぼう?!」
泣いていた女性は顔を上げてこちらを見て、様々な感情が入り交じった様相をしていた。
「遊ぼう!!遊ぼう!!」
笑顔を浮かべたパビャ子に手を引かれて、輪に入る。もう真ん中にいる人物はいない。
大人たちが笑いながら回っているから、戸惑っていた女性も釣られて笑う。
「ずーっとずーっと遊んでいようっ!」
パビャ子も声をあげて笑う。
「これで、ああすれば良かったって思えるまで遊ぼう!!」
次の日、近くの踏切で人身事故が起きた。




