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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜  作者: 犬冠 雲映子
キリトリセン(フス編)
32/162

としはあけて、ひがのぼった

 夜明け前。冬の凍てつく空気の中。

 雲一つない大空の中、リクルートスーツの女性はしっかりと相手の手を握った。なびく茶髪と色素の薄い瞳は来る朝日の前触れに光り、反射する。

 パビャ子は身を投げ出した、陰気臭い女性の死んだ魚の目を見つめた。

 明るい光が反射して、沈んだ双眸の中身が見えた。深い黒に近い瞳に、意思があるように見えた。

「乎代子!見えるー?!初日の出!!」

「空から落ちてれば何も見えないだろーが!」

「ありがとー!!初日の出ぇー!!!」

「は?!バカなん?!」

 真っ逆さまに落下するその一瞬、明るい太陽の閃光がビルの間から垣間見えた。

 最高だ。

 パビャ子は乎代子をきつく抱きしめて、笑顔を浮かべた。

「素敵な1年になりますように!」

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