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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜  作者: 犬冠 雲映子
キリトリセン(フス編)
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あかさたなはまや(山)

「あーーーーーーー!!!」

 エベレストの頂上でありったけ叫ぶ。全てを見渡せるほどの標高で両手をあげ、持ちえた全ての気持ちを吐き出した。

 リクルートスーツをきた女性。茶髪の、どこにでもいる女性。だがこの場では似つかわしくない。

 酸素ボンベもなく、ましてや寒さなど気にせずに彼女は過ごしていた。

「やっぱ気持ちがいい〜〜」

 パビャ子は清々しい気分で山を降り始めた。登山家たちは山で出くわす怪異や幻覚だとびっくりしたが、それを構っている暇がない。

「次はもっと高い山に登ろう」

 軽々しく険しい崖を下り、力尽きたたくさんの亡骸を越え日常に戻る。

「富士山は人が多すぎたからな〜」

 スーツで登っていたら周りからひんしゅくを買い、大変だった。樹海では捜索隊に自殺志願者だと勘違いされややこしい事になった。

「でもなぁ、乎代子と高尾山でもいいかも!二人でご飯食べて、お話したい」

 たくさん楽しみたい。

「だって生きてるから!たくさん、色んな事をしたい!」

 駆け出して自らの見知った場所へと帰るのを決意する。パビャ子は自由だ。

 何にも縛られないのだ。

「いえーーーーい!」

エベレストをたまに「エレべスト」と言ってしまいます。

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