表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜  作者: 犬冠 雲映子
キリトリセン(フス編)
26/162

ふかん

 運命というのはあるのか。それとも、偶然の連続なのか。

 誰がそれを決めるのか。選択肢はあるのか。あるとしたら、それを操るのはそれは神か、物語の語り部の意思か。


 エラー。


 数多の仕組みがあるのなら、必ずエラーが吐き出される。完璧な物事などありやしないのだ、と。

 エラーが好きだ。


 退屈しない。つまらない現実を変えてくれる。

 それを握りつぶすのもまた、好きだった。

 キーボードを打つ手を止めて、コーラに手を伸ばした。


「ん。死体が動いた」

 エラーだ。また、どこかで不可能の連鎖が起きる。

 ブロンドヘアーを一つに束ねた儚げな少女は、炭酸を舌で転がした。


「削除依頼、っと」


 握りつぶす。奇跡の片鱗を。

 モニターに映る汚れた部屋に放置された老婆の遺体。腐敗していたが、有り得ない事に動き出した。

 ハエを纏わせて、ソレはゆっくりと歩き出す。

 ハンバーガーにかぶりつき、片手で滑らかに文字を打っていく。


「よっと」エンターキーを押すと椅子にもたれかかった。

 ()()()()()()()、彼女の仕事だ。

 あるはずのなかったこの先を切断する。奇跡に浸る人間は絶望に浸っていればいい。

 人間とはそういう生き物だからだ。


「さてと、終わったら仮眠でもすっかなー」

 ジャンクフードをパクパクと食べながら削除依頼を大量に、たくさんのメルアドに送る。

 戦地へ、平和な午後へ。あるいは脅かされ苦しんだ者の所へ。幸せの絶頂にある世界へ。

 有り得たかもしれない未来を潰す者たちに、存在を、命──あらゆる可能性を削除依頼する。


「ノルマ達成には程遠いなぁ」

 白いスーツを汚さぬように、彼女はなんて事がないように言う。


「あの子、まだ均衡を壊そうとしているのか。暇ジンだわー」

 モニターの一つに映る、ある『女性』を見やり呆れたと吐き捨てる。

 悪あがきをする邪魔者を消すのだ。


「ぼかぁ関係ないからそこまで気にしてないし、良いけど、程々にしなよ」


 底のない黒目が細まる。「でも、見てみたいかも。世界がめちゃくちゃになる所」


 やってみせてよ。もっと、めちゃくちゃにして世界を苦しめて楽しくして見せてよ。

 神にすがる人類が苦痛し、荒廃する様をもっと見せろ。

 死ぬくらいなら生きながら苦悩に溺れればいいのだから。


「フフン♪」

 機嫌が良くなり、少女は足をブラブラさせた。

とんでもなく解釈違いでのたうち回ってました。

どうすればああ


2025年1月27日 加筆修正しました。

行間を入れたバージョンですが、まあ、あれです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ