ふたりのきぉく
「私はパビャ子!よろしくね〜?パビャアアアア!って呼んでいいよ!!!あああああああ!」
「うわ、いきなりなんだお前、うるさっ」
「こっちは洞太 乎代子!!私のマイえっ……ちぃ…フレンドです!」
「は??キショ!」
「今、動画投稿サイトに投下しようとしてんの」
カメラを向け、リクルートスーツの女性──パビャ子はピースした。
「やめろや!」
「アッ!カメラ!」デジタルカメラを奪われ、彼女はしょんぼりする。
「こういうのは家族旅行とかを撮るんだよバカ」
「え〜、まあ、いいや。本当はさ、話題のオーロラを撮りに来たんだけどさ」
「あー…こっちでもオーロラが見えるようになるとは、思いませんでしたね」
二人で頭上に輝くオーロラを眺める。関東の夜空に似つかわしくない光のカーテンは、不気味で神秘的だった。
「オーロラってさ、綺麗だけど浴びたら危険なんだって」
「聞いた事あります」
「でも良いもんだよね!こういうの!見れて良かった!」
それを聞いた乎代子は静かに空を仰いだ。
「アンタにもそういうのができて良かったよ」
調べたらオーロラは人間には危険性ないみたいです。
あれ。じゃあ私が見たあれは…何…。




