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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜  作者: 犬冠 雲映子
ンキリトリセン(ミスの決別と清楚凪 錯迷の襲来編)
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ふぃなーれ が く る!!

サクメイシリーズも終盤でごさいます。

 パビャ子たちが()()()、行方をくらましたかと思えば疲れ果てた──乎代子のみだが──様子で帰ってきた。探し回っていたラファティ・アスケラは慌てて状況を問うていたが、彼女たちは白昼夢を見たの一点張りである。


 嘘だと、『中央管理室』に居座る白を基調とした少女はイラつきともつかぬ感情を抱く。

 サリエリ・クリウーチはあの二人が来てから職場が騒がしくなったとため息をつき、モニターを眺める。

 日本中の様々なシーンが映る。老若男女。生活が切り貼りされている。

 それを眺めながら炭酸飲料を飲んでいると、全ての画面が砂嵐になった。

「何だ?」

 嫌な予感に椅子から立ち上がる。

 突如、轟音が建物を揺さぶる。デスクにしがみつき、埃や天井の破片が落ちてくるのに驚愕した。

(地震か?いや、違う。この気配──普通の災害ではない。この世の者でない部類の仕業だ)

「やべぇぞ。錯迷が気やがったなァ」

 ミハル・ミザーンがつかさず部屋に入ってくる。何かが立て続けに地面に叩きつけられているような、不気味な爆音が響いた。

「…僕には対処できない」

「弱音を吐くんじゃねえ。テメエは天使代理人協会の会長だろ!さあ!立ち向かうぞぉ!」

 なぜかはしゃいだ様子の保守派──『()()()』のリーダーに理解できないと、呆れながらも廊下に出る。自分にはとんと戦闘経験がない。これまで裏方として最前線からは外されてきた。遠巻きに戦力外だと貶されてきたのど同等である。

 それがいきなり、高位の存在と戦う?

 ──無理だ。

 遠い記憶に責め立てられる。清楚凪 錯迷と戦うと選択した勇ましい人物が脳裏を過ぎる。

 彼は今の自分を嘲笑うだろう。憎らしくて憧れていた──スリアン。彼は。

(僕にはできない)


 パビャ子と乎代子は建物の一角でいきなり地震に襲われ、お互いに顔を見合せた。

「何だ?今の?」

「窓の外が暗いね」

「あ?!マジだ」

 窓の外が異様に暗い。雨雲により陰ったわけではない。目を凝らしてみると木目が見えた。

「か、壁?…巨大な壁で塞がれるとかありえないだろ!」

「…アイツがきた」

 パビャ子が威嚇しながら後ずさり、いきなり落下してきた天井に蹴りをかまし粉砕した。

「う、うわ…た、助かったぁ…ありがとう」

「二人とも無事かっ?!」

 ラファティが落下物を避けながら走ってくる。三人が揃い、どうやって外に出るか──

 いや、この建物は例の屋敷に呑まれつつあるのでは無いか?清楚凪 錯迷が作り上げた迷宮の屋敷に。

「わああ!どうしよおお!かみさまほとけさまああああ!」

 アワアワと取り乱したラファティを前にすると逆に冷静になってくる。

「出てきやがれ!錯迷!」

「を、乎代子ぉ?!何言ってんだお前っ」

「──乎代子さん。久しぶりです。サクメイです」

スリアンは覃(のびる、ひととなる)くんの堕天前の姿です。

※いきなりのネタバレ。

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