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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜  作者: 犬冠 雲映子
キリトリセン(フス編)
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はちのこぉ…

 木に作られていたスズメバチの巣を破壊し、中から蜂の子を取り出し口に入れる。

 リクルートスーツの女性は怒り狂うスズメバチなど気にせずに幼虫を貪っていた。

「タンパク質うま!!お前らも食ってやるからな〜〜~!」

 空いている方の手でスズメバチを鷲掴みして咀嚼し始めた。

「うわあああああ!!!」

 虫取り網を持った子供が異常な光景を見て逃げていった。

「女王蜂はどこだ!でてこいやあ!!」

 ガツガツと蜂を食べまくり、やがて巣をもぎ取った。

「よォし!これで絆創膏GET〜」

 めためたに刺されている事も屁でもないと、彼女は公園を去る。

「最近あの人みてないなあ」

 雑に揃えられた髪と陰気臭い表情をした女性を頭に思い浮かべ、胸ポケットから名刺を取り出した。

「茶化しに行きますか!」


「お邪魔しまあ〜す」

 廃墟に近いアパートのドアはすぐ空き、中は真っ暗だった。

「生きてる???」

 ベッドに死んだように寝そべる女性を発見し、頬を叩いた。

「生きてますか???」

「何?」

「ご飯食べてる?」

「食べてない」

「はい。これ、栄養満点だよ!!」

 無気力だった女性の口に蜂の子を無やりねじり込ませる。「んごおお!」

「はーい、飲み込んで」

「オエッヴォエエッ」

「じゃあ次はスズメバチ、針は外しておくね」

「ウエエ!!!」

 何匹か食べさせると、冷蔵庫にあった栄養ドリンクを流し込ませた。

「あ、寝ちゃったわー!疲れてたんだなぁ…」

 気絶した様子を眺め、優しく布団を掛けてあげた。

「これ、絆創膏ねっ?」

 蜂の巣を床に置き、リクルートスーツの女性は部屋を後にする。

「久しぶりに善行したァ!!良かった良かった!」

蜂の子はまだ食べた事ないです。

おばあちゃんから蜂の巣は傷に貼ると血が止まると教わりました。

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