第17話
遅筆や個人的な事情により、投稿を「月・水・金」にします。
当作品を気にしている方がいたら、申し訳ありません。
前話のあらすじ:
ARの定義から外れた機能が実装されていた。その説明中、主人公が軽くいじられた。
その後の説明は、取り立てて大きな問題は無かった。少なくとも、『天災』の作品関連だと理解していれば、驚く程の事は何も無い。その程度には、彼女の事を知っているつもりだ。
テスト担当が一人である理由も聞いた。サンプルを絞って機能を実現し、そこから万人向けに調整する方針、これを提案したのも先輩らしい。担当者も先輩の提案という話なので、彼女は1年以上前から案件に関わっていた様だ。それ、会社合併前からですよね?
「そもそもこの計画の為に会社が作られました」
それじゃ『社運を掛けたプロジェクト』ではなく、『プロジェクトの為の会社合併』じゃないですか。話が違いすぎませんか、部長。そうですね、どちらにしろ社運は掛かってますね、確かに。
流石にこの話は聞いていなかった様で、竹崎さんも驚いていた。彼女の読心術は万能では無いらしい。部長達に比べれば、可愛らしいものだ。
どうやら転職を含め、此方の人事は先輩の意向によるものだった様だ。勝手に人生を左右しないで欲しい、せめて一言あっても良かったのでは?
「上層部は大江部長が居れば問題無いと考えていたけど、私は貴方が必要と考えました。自分では理解していないけど、貴方も相当変わっている。少しは心当たりがある筈です」
此方の言葉に答えた先輩は、自分の意向だった事は認めた。でも、黙っていた理由は教えてくれなかった。
どうやら、まだ秘密があるらしい。だが、これ以上は踏み込むべきじゃ無いと感じる。『本物』の持つ深淵に踏み込むのは、慎重を期すべきだ。
ところで、『相当変わっている』ってどう言う意味ですか?少し器用なだけの一般人に向かって『相当』は無いと思います。
「今日は説明だけで、質疑等は明日の予定です」
此方の抗議は軽く流された。だが言質は取った、明日追究してやる。
その後も軽口を叩いたり、質問を流されたりしながら説明は進み、やがて会議終了時間となる。そういえば、部長も竹崎さんも殆ど話さなかった。事前に知っている事が多かったのだろう。文字通り、『中原への説明会』だったという事か。あれ、竹崎さんも半分くらい知らなかった?
「明日の質問時間は、多めにいただきます」
澄ました顔で宣う彼女。
どうやら自分は、知りたかった事を説明されて、少し躁いでルールを忘れていた様だ。
それを指摘された様な気がして、思わず苦笑いが浮かんでいた。
そして翌日、少し不機嫌そうな竹崎さんから伝えられたのは『説明担当急用の為、会議は中止』だった。
あの『天災』、説明だけ済ませて質問からは逃げやがった。
鷲見先輩は、まだ隠し事をしています。
話中で製品版以降まで話が進めば、明かされるかも知れません。
当該部分を全カットする可能性もありますが。
読んでくれた方がいれば、ありがとうございました。




