第11話
遅筆の為5分遅延、申し訳ありません。
よろしくお願いします。
前話のあらすじ:
もう一人のモニタリング者の感想
本日最初のテスト(という名の実験)は終了。開発側の評価では『成功』らしい。此方としても嬉しいが、判断基準が曖昧な為いまいち喜びきれない。何にしろ、一歩前進したのだから、大人らしく飲み込もう。
続けて別の場所でもテストを行うが、今度は波紋をイメージさせる様な映像、その次はポニーの様な馬等、様々な映像が映し出される。今回は場所毎に映像が異なるので、やっとARっぽい感じがする。以前のテスト時では、何処に行っても文字列で覆い隠されていた時もあり、テストの意味があるのか心配だった。
それにしても、今日は随分多くの『お社』に移動する。地元にこれ程『お社』があるとは思わなかった。子供の頃に慣れ親しんだ場所もあれば、純粋に知らなかった場所、近くを通りながら気付いていなかった場所等、本当に沢山存在する。今までのテストでは行った事の無い場所も周り、流石に疲れてきた所で本日のテストは終了。明日は開発側の都合でテストは無しになるので、今日の報告を纏めて報告だけでいいとの事だった。
今日の結果を受け、開発担当も色々再調整したい様だ。
しかし、そうなるといよいよ資料に手を付ける必要があるだろうか。先週のテスト中断期間は、前半は有休消化(テストスケジュールによっては長期夏期休暇が難しいからと謝られた)、後半は検診で潰れた為、資料に手を付ける必要は無いと部長に言われていたので、未だに目を通していない。明日は流石にやるべきだろうと思い、今日中に触りだけでも確認仕様と対象ファイルを探るが目当てのそれが見つからない。保存したと思わしき場所には、見覚えのないファイルが一つ。瞬間、顔が青ざめる。まさか、ウイルス?セキュリティ的に不味そうな行動は取ってないし、そんな筈は無い、と思う。多分。きっと。恐らく。
これでも社内秘に関わっている自覚はあるので、冷や汗を流しながら部長に連絡する。勿論、汚染の可能性がある業務端末は使わない。あっ、ネットワーク切断しないと。
此方の連絡を受けた部長から待機指示を受け、待つ事5分、直ぐに待機解除となった。何の事はない、開発担当の一人が消したらしい。一寸待て、それは社内運用的に駄目な行為なのでは?いや、社外からの不正アクセスでは無かったので、一安心ではあるが。
此方の疑問は当然だが、『一応理由があっての行為の為、厳重注意と1ヶ月減給で処置する』との部長のお言葉。電話の後ろから聞こえた悲鳴は何処か聞き覚えがある気がする。いやそれよりも、もしかして部長と一緒にモニタリングしてた開発担当が犯人?お前の秘密は握ったぞ、例の猫耳メイド喫茶を話せばお前も道連れだ。だから、あの件は忘れるんだ。
部長が呆れた声で『私も忘れるので、そういうのは二人ともやめなさい』と言う。申し訳ありません、緊張から解放されて、気が緩んだようです。
こちらの言葉に部長は一つ息を吐くと、
「明日は報告だけで構いません。それと、今後あの資料の件は無し。理由は今度、諸々の説明と一緒にします」最後にそう言い残して、通話を切った。
開発が進みそうなので、ようやく此方も説明を受けられるらしい。
次回以降で説明回があります。
読んでくれた方がいれば、ありがとうございました。




