平民の豪邸
主要キャラが一堂に会しました!
と言ってもまだ名前も姿も明かしていませんが。
暫くはほのぼの仕事のお話編です!
そして次回は裸の付き合いでぇす
豪華絢爛さを
コレでもかと見せびらかす内装。
天井には何層もあるシャンデリア。
床には希少な皮で作られた敷物。
誰かは知らないが皆が褒め称える絵画。
良さのわからない壺。
そんな景色が広がっていると、
ローズは想像していた。
参考対象は元夫のマネーの家。
だからあまり貴族の家、
敷地の広い家はいい思い出がなかった。
だが、この家は違った。
「ただいま」
「「「おかえりなさいませ ご主人様」」」
使用人が入口の左右で出迎える。
総勢は五人。メイド服三人 執事服二人
この家を任されているにしては少ない。
内装はローズの目線。
元平民の彼女の目から見ても、
最低限の物しか備わっていないと感じた。
余計な装飾は一切ない。
あるのは手すりと床には謎の黄色いパネル。
天井には光を照らすシャンデリアはなく、蝋燭と発光する魔法石を使用した静かな灯りが採用されている。
この家を見てローズはどこか安心をした。
安心して、改めて今の使用人達の言葉を思い返す。
『ご主人様』
「ご主人様……? え、ここはあの。ネイヴ先生の……ご自宅なんですか!?」
「そうだ。言っていなかったか? そう、ここもワタシの家だ」
「てっきりあの病院が家かと」
「どちらもワタシの家だ。私的か仕事を兼ねているかの差しかない」
改めて考えてみれば、
あの病院は人が在中できるような場所ではない。
埃っぽく、最低限の生活用品すら置いてない。
殆どがネイヴの仕事に関連するものしかなかった。
「ネイヴ。浴室の準備、整えておいたよ」
「ありがとう執事長」
執事長は使用人を統括する片割れ。
メイド長の男性版と考えて貰えば相違はない。
なのだが、
彼の見た目は役職に対して幼過ぎる。
二桁に達していないのではないかと
思ってしまうくらいには低身長で童顔だ。
「彼女の風呂の手伝いをしてやってくれ」
「わかりました」
風呂場が男女で分かれている。
並の金持ちでは真似出来ない
ちょっとした贅沢である。
それはともかく、
ローズの手伝いにはメイド長が指名された。
理由は様々あるが、こういったことに慣れている歴の長さが一番の理由だ。
「(お風呂! そういえば私、この一ヶ月入れてなかったなぁ。……臭ってないかな?)」
「よろしくね、ローズさん」
「えっ、あ! ヨロシクお願いします!」
【メイド長】 年齢不明 死因:未開示
左目に大きな傷がある美白の女性。
美しい顔立ちでいつもニコニコしている。
体付きは顔に似合わずガッチリしている。
右眼は碧眼。
それも細かな輝きが散りばめられた、
まさに宝石のように美しい目をしていた。
首 手首 足首
それぞれに布製チョーカーや布製ブレスレット、金属製のアンクレットを着用している。
「皆は通常業務に戻って下さい。何かあれば、執事長に……」
「ちょいちょい。僕様、今日は『二階』」
「アラ、そうでしたね。では各自で協力して対処に当たってください!」
「「分かりました」」
途中、執事長が耳打ちをした。
『二階』と聞こえた。
ローズは上へと続く階段に目線をやる。
「(何かあるのかな?)」
「さ、ローズさん。裸の付き合いをしましょうか」
「は、裸の付き合い…(言い方!?)」