雨都
初挑戦作品二号!
こちらはがっつり異世界ものとなっております。
一号と同じく初の執筆
生暖かい目で見守っていてください!
貴方には大切な人はいますか?
家族 友人 恋人 恩師 有名人
……今思い浮かべた人
もしその人が理不尽な死を迎えたら?
受け入れ難い死に見舞われてしまったら?
貴方はどう思いますか。
ただ悲観の感情のままに涙を流す。
死を見舞った相手を怒り、憎しむだろうか。
あるいは死を受け入れずに狂気に陥る?
貴方が亡くした大切な人
それは本当に大切な人でしたか?
ただの良き人ではありませんでしたか?
替えの効く人ではなかったですか?
亡くなった時、別の誰かを考えませんでしたか?
したのなら話は終わり、
しなかったなら謝罪の意を。
もし本当に大切に思っているなら
貴方は『後悔』をしているはずだ。
そしてこう思うはずだ。
『あの人にもう一度会いたい』
『喩え 何事に変えたとしても』
──── 雨都 ラグーン ────
太陽に嫌われた土地と呼ばれている。
異常気象なのか過去にこの土地で何かが行われたのか。
太陽は一年を通して雲の背に隠れている。
そんな土地に創られた街は、倦怠感が立ち込めている。
人はここに根付かない。
けれど借宿としては最適だった。
道を走る雑多な人通りの声。
やはり道通りを走る馬車の車輪の音。
常に何処かしらから音が鳴っている。
そんな些細な喧騒から逃げるにはこの街は優れていた。
永住するには不便が目立つ。
服は乾かず、外出すれば濡れる。
居留するくらいが丁度いい。
雨音を聴きながらの作業は捗る。
そんな街に一人、奇妙な『人』がいた。
時折借宿に住み着いては、金持ちを相手に仕事をする。
あの人の傍らには立派な洋装の使用人がいる。
職業は聞きなれない【医者】らしい。
大層優れた何かしらなのだろう。
たまに道行く人達はその程度の認識だ。
自分達には関係ない。
金持ちが酷い顔で医者の狩宿から飛び出てくる。
たまに道行く人達は関心なく見過ごしていく。
自分達には関係ないから。