◆いまさら登場人物紹介と用語◆
登場人物が増えてきて希望があったため、メモ程度の登場人物紹介と曖昧な用語など。
■登場人物
ⅰ スサーナのおうち
◆スサーナ
主人公。前世の名前は新原紗綾。享年22。元文系大学生。
特に何ら異世界で役立ちそうなスキル無しで転生してきた。
6歳の頃に記憶を取り戻すまでは混乱した意識のためか妙な発作を起こすなどあまり転生で得している感はない。
漂流民との混血らしく、この世界のスタンダードな容姿とはかけ離れた黒い髪をしている。なんか謎の力があるのかないのか本人にもよくわかっていないが、あったとしても非常に社会的に面倒。ねこがすき。まったく自覚はないがいわゆる美少女である。実は結構に身体が弱いが、前世で壊滅的に弱かったために比較級で動けてしまうためにこれまた自覚がない。
◆おばあちゃん
スサーナのおばあちゃん。本名はエンマ。正直屋という仕立て屋を経営している。
じつはやり手の経営者である。
亡き夫から受け継いだ仕立て屋を大きくしつつ二男二女の子供を育て上げた肝っ玉お母ちゃん。両親の居ないスサーナを立派に育て上げるために礼儀や修行やらに厳しいが、スサーナのことは可愛がっている。
◆叔父さん
本名はフリオ。
スサーナより16歳上の若い叔父さん。スサーナの父さんの一番下の弟。
有能な仕立て職人であり、デザインの才能も確か、経営の才能もあり、さらに言えば結構な美形でもあるが、失踪した長兄の残した姪っ子を可愛がるあまり残念な姪バカと化している。ちなみにこの人も自分が顔がいい自覚はあまり無い。
◆レーレ叔母さん
本名はエストレーレ。スサーナの父さんの一番上の妹。
スサーナのおうちでは型紙のデザインを担当している。
のんびりおっとりで、ゆったりしたしゃべり方をする。旦那さんと一緒に別の家に住んでいる。
◆ルブナ叔母さん
スサーナの父さんの二番目の妹。
スサーナのおうちでは全体のコーディネートなんかを担当している。
スサーナが10歳の夏に赤ちゃんを生んだのでしばらくお仕事から離れている。
ハキハキしたしゃべり方で活発。小さな頃はワガママで何もかも使用人任せだったらしい。
他人の恋バナが好物。
◆ブリダ
スサーナの家で働くお針子。親類の娘で、スサーナから見た続柄は父のはとこ。
従姉妹一族がアサス商会という大きな商会を経営している。
叔父さんより一つ上で、おばあちゃんの子供達とは幼馴染だった。
スサーナを小さな頃から気にかけている。
叔父さんとはある意味で腐れ縁であり、気心の知れた仲。
◆マノロ、マノラ、テレサ
従業員たち。
ちなみにマノロとマノラは親子であるが、多分本編にはあまり関係してこない情報である。
◆スサーナの両親
両親ともに失踪中。
スサーナは生まれたばかりのときに実家に現れた父親によって正直屋に預けられた。
母親は薔薇のようと讃えられた漂泊民の女だったという。
ⅱ フローリカのおうち
◆フローリカ
スサーナの親友。同い年であり、コラッリアの商家の娘。スサーナとは遠い親戚である。
6歳のときにスサーナと引き合わされ、お友達になった。
あんずめいた金髪と夏空みたいな碧眼のとびきりの美少女。
幼い頃は無邪気だったが、成長するにつれ母親の教育が効いて愛らしい外見ながらなかなか神経が強く目端が利くように育つ。
◆ニコラスさんとイルーネさん
フローリカの両親。コラッリアでアサス商会という大きな商会をやっている。
彼らが本島に支店を出そうとしたのがフローリカとスサーナが出会った切っ掛けだった。
ニコラスは優しいが言葉が足りないらしい。
イルーネは一見おっとりとしとやかで華やかな美女だが怒るととても怖く、ニコラスを尻に敷いている。ちなみにイルーネがブリダの従姉妹にあたる。
ⅲ 田舎のお友達
◆フィート
ヴァジェ村の宿の男の子。
魚取りが好きで、モリで魚を突くことに情熱を燃やしている。
ヴァジェ村の小さな子達のリーダー格、もしくは兄貴分である。
スサーナより一つ上。
◆メルチェ
ヴァジェ村の食堂の女の子。
フィートのことを宿の女将から頼まれている。
行く先についていってはうるさくいうのが日課。
髪はオレンジに近い金髪で、二つ結び。活発なお姉さん気質。
スサーナより一つ上。お芝居が好き。
◆ハビ
ヴァジェ村の男の子。
活発。スサーナと同い年。
◆キケ
ヴァジェ村の男の子。
ちょっと気弱でおとなしいしゃべり方をする。
スサーナと同い年。
◆エウメリア
スサーナが初めて出会った漂泊民…鳥の民の少女。
ウェーブの強い黒のロングの髪と鮮やかな衣装。
ちょっと気取ったしゃべり方をする。
熊と出会ったときに熊を眠らせる魔法を使った。
スサーナより2つ上。
実はスサーナのことを男の子と勘違いしていた。
ⅳ 講の子たち
◆ドン
本名はドナート。
くしゃくしゃに癖のある短い金髪。ガナール商会の重役の息子。
手のつけられないいたずらっ子で、よく講の教師に叱られている。
どうやらスサーナが気になっているらしいが、そのあたりヘタレるものでまったく気づかれていない。スサーナを海賊市に誘った。
アンジェに好かれている。
◆リュー
本名はリュイス。
ミルクティー色のやや長めの髪。容姿は綺麗な方で大人になったら女の子に騒がれるかも知れない。
大きな建商の息子。ドンと仲がいい。
物事を俯瞰するタイプで、比較的冷静な態度の少年だが、やはり大暴走男子の一種だとスサーナには判断されている。
ひょんなことからフローリカが気になっている。
◆アンジェ
本名はアンジェリーナ。
ブラウンと金髪の中間の髪で、狐を連想するふわふわしたロングヘア。
リボンや化粧に気を使うお洒落な少女。
ちょっとスサーナをライバル視している部分があったが、海賊市に一緒に行ったことで仲良くなった。ちゃんと友達だとは思っている様子。
ドンのことが大好きで、ドンの彼女を自認している。
ⅴ その他の人たち
◆ヨティス
鳥の民。
長い前髪が目に被った、気弱で優しそうに見える黒髪の少年。
混血という名目で奴隷市で売られていたが、その実は純血の鳥の民であり、パレダに雇われた暗殺士である。
領主位を争う後継者兄弟の弟の方を殺害する任務を帯びている。
肌に縫い込めた刺繍を使って身体能力を上げたりする魔法を使いこなす。
スサーナより一つ上。
◆ミロン
鳥の民。
ヨティスと組んだ暗殺士の相棒であり、バックアップを担当する役目の青年。
軽薄で女好き。ヨティスよりいくらか年かさであり、成人している。
鳥の民ではあるが、幻影で髪の色を変えている。魔術師製の魔術付与物品を使って鳥の民の魔法ではフォローしきれない人払いなどをするのが役目。
◆魔術師/第三塔
第三塔の魔術師。
結構話してみると普通で面倒見がいいのでは?とスサーナには思われている。
正直屋を得意先という。
スサーナの発作の治療に呼ばれたのを切っ掛けになんとなくの面識がある。
医療魔術を得意とし、本来なら王侯貴族の加療を専門とする様子。
結構フットワークが軽く海賊市にいたりそこらへんをウロウロしていたりするが、どうやら認識欺瞞を掛けているらしく、一般庶民に目撃されることは少ない。
普段は暗い赤のローブを着、圧のやたら強い中の見えないフードを被っているが、容姿は整っているらしい。長い髪だがどうやら男性らしい。
最近なんだか茄子が苦手になった。
■用語
◆塔の諸島
舞台の島々。魔術師が支配しているために特異的に平和な場所。
◆パレダ、アウルミア、アラゴー、クウェンダレ、キ、ヤローク
周辺各国。大なり小なりネーゲの崩壊の影響でごたごたしている。
◆ヴァリウサ
舞台の塔の諸島がある国。商人の発言力が強く、貴族が抗争しているらしい。島嶼部と大陸の本土ではだいぶ環境が違う。
◆ネーゲ
かつては素晴らしい先端技術と文化で栄えたものの、大崩壊を起こし滅んだ大国。
余人の再現不可な技術を沢山抱え落ちしたので各国が文字の解読とか技術書の持ち出しをしようとたまに遠征隊を派遣している。
首都のアケルナルは殺傷能力の高い悪霊の徘徊する限界ホラー廃墟となっている。
◆魔術師
オパール色の髪と目をした人たち。
塔の諸島にたくさん塔を立てて住んでおり、この世界では希少な才能である魔術を使う。島の便利なものは大抵この人達がなんとかした結果である。
塔の諸島の一般人には恐れられている。
また、塔の諸島以外にはほとんどいないために軽視されることもあるが、あまり軽視すると怖いことになるジャンルの生き物たちでもある。
◆漂泊民
黒髪を持ち、世界を漂泊するひとたち。
放浪の民にありがちに偏見の目で見られている、とスサーナは思っていたが
糸の魔法と呼ばれる魔法を使う、この世界の人間を縛る契約に縛られないなど結構に剣呑な能力を持ち、その特性を生かして暗殺士を排出したりもする。
自称としては鳥の民を名乗り、かつて運命を織る鳥の神を殺したものの子孫だと言い伝えられている。
◆アサス貨幣/デナル貨幣
1アサス大体200円。10アサスで1デナルとなる。割アサスが通常使用する最小単位、鉄貨であり、5デナルからが金貨である。そこから上は金の含有量が増えていく形になる。
◆暦
太陽暦と太陰暦がある。一年は12ヶ月で一月は30日前後。
寒さの月 花の月 青葉の月 日差しの月 実りの月、枯れ葉の月という呼び名に第一の、第二のと付けることで12ヶ月を別け、暦を表す。
新月の7日 上弦の7日、満月の7日、下弦の7日、と言う形で週も存在する。
◆茄子
苦い。残念。
次話から12歳編が始まります。
どうぞよろしくお願いいたします。