兄の部屋
これは夏でも冬でもずっと寒い兄の部屋でのことです。
私にとって、兄が鬼に見えた瞬間のオチです。
私の住んでいる家は、白くて五階建ての団地です。
しかもその頂上である五階が私の家でした。
私の家族は大人数で、五人兄弟でした。
親も合わせて七人もいるのです。
おかげで毎日の洗濯やら食器やら片付けやらが大量で大量で。
それでも子供は五人。
そのすべてを使って、歯車はなんとか噛み合い、家がゴミ屋敷になることはありませんでした。
そんな大変な毎日のコトです。
私の兄と姉は家族の中でもっとも霊感が強く、昔からそーいったモノが見えていました。
今回はそんな兄のお話。
その頃、兄は十七くらいでしたか。
とりあえず人よりちょっとはっちゃけていて、監視カメラを壊したり、ケンカしたり・・・・と、そんな兄でしたが、家では優しくて面白い兄でした。
・・・・たまに前触れもなくチョッカイという形で、殴る蹴るがありましたけどね。
手加減はしていてくれたようです。
そんなこんなで私にとってはイイ兄でした。マゾではなく。
ある日の夜。
兄は自分の部屋で、いつも一人で寝ていました。
私、姉1、姉2は和室で眠っていました。
和室にはクーラーがあって涼しかったのですが、兄の部屋にはそれがない。
なのにあの部屋はいつも涼しかったのです。
そう、寒いくらいに。
兄は寝るときに大音量で音楽をつける習性があり、家族はみんなそれに慣れてしまいました。
しかも私の寝ている部屋の壁を挟んですぐが兄の部屋。
その日も兄の過激なガセッ●の音楽は鳴り続けました(;_;)ネレナイ...
ですがしばらく経って、サビらへんで音楽はプツッと消えてしまいました。
光樹「(゜_゜)??」
中途半端が嫌いな兄にしては、妙におかしな消し方でした。
それでも静かになった。今のうちに寝なければ・・・・(-_-)zzz
その日はよく眠れました。ガセッ●が暴走を止めてくれたからでしょう。
私はその日だけは見た夢をハッキリと覚えています。
プーサンが袋の中に入っていく変な夢でした(笑)。
そうして十時くらいにノソノソと起き上り、リビングでお茶をすすっていた時です。
後ろのドアから兄がゆっくり眠そうにやってきました。
光樹「どした〜?昨日はバイト休みじゃなかったのか〜(゜o゜)?」
兄「それどころじゃねえよ・・・・(;一_一)」
光樹「(゜<゜)??」
兄「・・・・出た( 一一)」
光樹「\(◎o◎)/!」
その一言で、この家系は何が出たのかすぐわかります。
そう、ヤツです。
非科学的なことを非現実なところでやらかすヤツら。
人はみなそれを・・・幽霊と呼ぶッ\(゜ロ\)(/ロ゜)/ギャー
詳しくを兄に聞くと、どうやらこーゆーコトのようだ。
兄はいつものように、ケータイで音楽をかけながら寝ていたらしい。
大好きなガセッ●は、すぐに兄を天国へ駆り立てました。
そして大好きなラストのサビ!!
ところが・・・・!!!!!
ブチンッ
兄「(゜3゜)!?」
無念にも、ガセッ●はその役目を終えることなく終えました。
兄(ヤツかぁあッ凸(▼皿▼)!!!)
この前にも兄はたくさんの怪奇現象を味わいつくしていたので、恐怖を通り越し怒りを爆発させていました。
そしてケータイに手を伸ばした瞬間!!!!
ダンッ!!!!
兄「(@皿@;)!!?」
突然、天井から思い切り足を振り落としたような音が。
しかし最初に言ったようにここは五階。団地の頂上。
この上には屋根しかありません。
タン、タン、タン・・・・
兄「・・・・(=_=)」
足音は兄の真上をくるくる何度も回るように歩いたそうです。
・・・やがて足音は止み、兄はホッとして寝よ寝よと布団にもぐりました。
その時・・・・!!!!
バァンッ!!!!!
兄「うおぉっ(;▽;)!!?」
それも突然。
兄の頭の上は、半分下が壁。半分上が窓だったのです。
その窓をたたき割るくらいの音が、兄の睡眠を妨害しました(笑)。
カリッカリカリ・・・・
兄「・・・・(゜_゜;)」
今度は窓を爪で引っ掻くような音が・・・・。
何度も言うようですが、ここは頂上、五階です。五階建ての五階です。
はてさて、実は私の兄はケンカでもなんでも負けず嫌い。
なのでお気に入りのガセッ●をオールリピート大音量で流し始めました。
兄「うっへっへっへっヽ(^。^)ノ(ポチッ」
♪〜♪♪〜♪〜・・・・(カリカリ・・・)
兄「(寝よ寝よ・・・・(-_-)」
♪♪〜♪〜♪♪〜〜〜(カリカリ・・・・)
兄「・・・・・(▼皿▼)!!!!」
そうして、兄の夜は明けて行きましたとさ。
めでたしめでたし。
光樹「ギャハハハハハ!!!!(≧∀≦)⊃[机]バンバンッ」
兄「キサマァァアアアアァァアアア!!!!!凸(▼皿▼)」
光樹「その頃ぷーさんの袋詰め見てた(wОωОw)」
兄「お前も一緒に詰めてやろう(▼Д▼)!!!!」
光樹「イヤダァァアアアア(/Д゜)/ダダダッ」
兄「問答無用!!!!」
十分後・・・・
光樹「ヒドイ・・・・(;_;)」
私は見事に巨大なゴミ袋に入れられてしまいました。
窒息しないよう、首のところで袋の口を締め、バイトへ出かけた兄。
その後、起きてきた姉1に遭遇。
しばらくの間を空け、腹を抱えて大笑いされました(泣)。
あの時の屈辱を、私はまだ覚え、復讐を胸に生きています・・・・。
・・・どうでしたか?
怖かったでしょ??
まあ、どんなに怖い幽霊でもうちの兄に比べりゃヘでもねえぜ!!
だって実の妹を袋詰めにするヤツがいるかッ!!?
フツー!!!
マジで怖かった・・・追いかけてきた兄の顔が・・・・!!
また次回でお会いしましょう!