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恋愛ゲームのような世界  作者: うらく
5/7

フラグ

どういうわけか、新刊が一つも無い。

田舎だから発売日も遅れるんだろうか。

まあ、良い気分転換にはなったからいいか。

「キャーー!!ひったくりー!!」

甲高い女性の声が聞こえた瞬間、俺に誰かがぶつかった。

「いてぇな」

前を向くと俺とぶつかったであろう男がのびていた。

ぶつかったぐらいで、気絶するかね。

通学鞄がそばに落ちてるし、おそらくこいつが犯人なんだろう。

そんなことを思っていたら警察のお兄さんとひったくられたであろう女の子が駆けてきた。

「君、大丈夫かい」

「はい、一応」

「犯人を身を挺して捕まえるなんて無茶は推奨しないが、お陰で犯人を捕まえることができた。礼を言う」

叫び声からすぐ来るなんて最近の警察は優秀だなぁ

「いえ、たまたまですよ」

「そうか。じゃあ、私は犯人の署まで連れて行くからこれで失礼するよ」

そう言うとお兄さんは仲間と犯人を連れてパトカーの方に行ってしまった。

はあ、何が何やらだが帰るか。

「あの、ありがとうございました」

声の方を振り向くと先程ひったくられた女の子が頭を下げていた。

「いや、たまたまだから。それより鞄返ってきてよかったね」

「はい」

そう言いながら茶髪のショートヘアがよく似合う美少女はにこりと笑った。

並の男なら惚れていただろう。俺もその一人かもしれない。

よく見るとその子は夢見高校の制服を着ていた。

「夢見高校なんだ。俺も今日そこに転校してきたんだ」

「そうなんですか。私は2年B組の桜木叶依。改めてよろしくお願いします」

「同じ学年だからタメでいいよ。俺は今日A組に入った神野光輝。よろしく」

「偶然ね。もっとお話ししてたいけど、お巡りさんに事情聴取に来るよう言われててもう行かなきゃ。神野くんまたね」

「ああ、またな」

桜木さんか可愛い子だったな。

同じ学校だし、これを機に俺にも春が来たりしてな。

桜木さんには悪いが今日はなんか良い日だな。


ふと辺りを見渡すと人がたくさん集まっていた。

まあ、事件だしな。その中に朝日の姿があった。

目が合うと、朝日が俺の方へと歩いてきた。

「よう」

「転校早々、災難だったな」

「まあ、そうだな」

「ひったくりとぶつかるなんてお前も運が無いな」

「まあな。でも、ひったくりはその衝撃で気絶したんから結果的には良かったか……って見てたのか」

俺はひったくりを捕まえたことにはなってるが、俺がぶつかってひったくりを捕まえたなんて誰も思っていないはずなんだが。

「いや、神野って格闘技とかやってなさそうだし、服も若干汚れてたからそうなのかなって、違うのか。もしかしてお前、有段者か!!」

それだけの情報で状況を言い当てるなんてこいつ探偵かなんて一瞬思ったがまあそうか。普通に考えれば俺がひったくりを倒したなんて思わんか。

「よく分かったな。朝日は探偵とか向いてるんじゃないか」

その後は他愛もない雑談をして朝日とは別れた。

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