始まり3 ギルドマスターside
毎日投稿したいけど、やっぱり小説を書くのって難しくてなかなかうまくいかないんだなぁ。
頑張ります
楽しい時間というのはあっという間に過ぎるもので、気づけばアウル公爵家に到着していた。名残惜しくも馬車を降りた僕たちを待っていたのは初老の執事であった。
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
美しい姿勢でお辞儀した執事に促され、屋敷に案内される。長い廊下を歩いている途中、僕の前を歩く執事を見てあることに気づいた。執事への確認とレディへの共有のために口を開こうとしたが、ふいに執事が立ち止まる。
「こちらに旦那様がお待ちです。それとこれから対談される内容は秘匿性の高いもので秘書の方は入室をご遠慮いただき、別のお部屋にご案内させていただきます。ご了承ください。」
そういうことなら仕方ないね。そう思った時、背後から冷たいものを感じた。振り返ると、いつにも増して表情がなくなり能面のような顔をしたレディがこちらに目を向けていた。これは…
(相手は公爵家、絶対にヘマはするなという忠告…!)
いつもならレディがさりげなくサポートしてくれるが、今日はレディは対談に参加できない。ここで僕が失礼なことでもしたら、ギルドの存続に関わることになる。どうしよう、不安になってきた。とりあえず頑張ってみるという思いを込めてレディの目を見てうなづく。すると表情はそのままだが、レディもうなづく。
「では、お入りください。」
扉の向こうには煌びやかな服に身を包んだバーリング•アウル公爵がいた。
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ギルドマスターと秘書をそれぞれ孤立させたことで計画は概ね成功したとバークリング•アウルは感じていた。ギルドマスターは死んでいては利用価値がないので安全に無抵抗で捕らえるのが理想的だ。まず別の部屋に待機させていた兵を秘書にさし向け、捕らえる。秘書を人質としてギルドマスターに無抵抗で降伏させる。これがバークリングの立てた計画であった。
しかし…
(なぜいつまでたっても兵がやってこない…⁉︎)
計画通りであればとっくに秘書を捕らえ、こちらにやってくるはずである。まさか秘書、しかもたった一人の女に鍛えられた十数人の兵たちが手こずるはずもない。そう考えたバークリングは予想外のことに多少の焦りを見せていた。
(いっそのことこちらを先に捕らえるか?)
そう考えたバークリングは懐に忍ばせていた拳銃を使うかどうか思案していた。奴は魔術師。魔術を行使するには詠唱がいる。仮に詠唱破棄を奴ができるとしても、トリガーとなる魔術名は唱えなければならない。奴がなにかしようとした瞬間肩でも撃ち抜いてやればいい。机一枚挟んだこの距離だ、絶対に外さない。手荒な真似はしたくなかったが、致し方あるまい!そのような結論に至り、バークリングは懐から拳銃を取り出し構えた。そこで、バークリングの意識は途切れた。
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(いきなり拳銃構えたと思ったら、前のめりにぶっ倒れて動かなくなったんだけどこの人!)
突然のことに内心動揺していると、ふいに背後から「マスター」とレディが僕を呼ぶ声がした。彼女は僕の知らない間に扉の前に立っていた。
「…ここにはもう用はありません。帰りましょう」
「ああ、うん」
どうやら僕がアウル公爵に襲われそうになったのをレディがなんとかしてくれたらしい。レディの方は大丈夫だったかなんて聞かない。この子の恐ろしさは知っている。大丈夫だったからこそここにきてくれたわけだし。そうして、立ち上がり、部屋をでる。
「やはり、悪い噂というのは本当のことでしたね」
「そうみたいだね。国に報告しないと」
また一つ増えた仕事にうんざりする。どう報告するか考えていると、ふいに別のことを思い出した。
「そういえば、執事は?」
レディがハッとした顔で僕をみる。
「そういえば私を部屋に案内した後は姿を見ていません…」
「そっか、良かった…」
「彼がどうかしましたか?」
「彼、神秘持ちだよ」
そのことにレディは心底驚いた様子だった。今日はよく表情が崩れるな。僕がそうさせたことに嬉しさを感じて、そのまま帰路に着いた。
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「彼らはどうだった?」
「…やはりとんでもない実力者でしたな」
暗闇の中で二つの影が会話をしていた。声色から初老の男と声変わりもしてないほど若い男だということがわかる。
「準備を急ごう。我らの悲願のために」
「御意」
二つの影は暗闇に溶けて、そしてなくなった。
前にも言った通り、このストーリーは一つの視点だけでは不完全です。なので今回の話もよくわからないところや不自然なところがあるかと思います。次の投稿で、その部分が補完されるはずです